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アスリートと恐怖心

質問内容

アスリートは、ケガのリスクなどの恐怖心はないのか。自分がケガのリスクを伴う競技をしているので、危険な競技をするときの考え方や、恐怖を感じたときの気の持ち方などをトップアスリートの視点で書かれているものが見たい。

回答内容

トップアスリートの言葉は以下の著書に載っていた。
①『向かい風がいちばんいい』p.60に「ジャンプは怖いから、楽しい」の項があり、「いまでもフライングヒルを飛ぶときに、子どものころのワクワクを思い出します。怖いんだけど「どのくらい飛べるんだろう」と思って。(略)ジャンプは季候に左右される競技で、強風のときには別の種類の恐怖を感じることがあります。でも、いざスタートするとなると「よし、やってやるぞ!」という気持ちに切り替わるから不思議ですね。」と記載がある。また、p.103から、「不安や恐怖に打ち勝つ方法」の項があり、p.110に「約30戦を戦ううち、5、6試合は強烈な強風が吹くことあがります。その試合をひとつひとつ乗り越えることで、「少しずつ少しずつ恐怖を克服していったのではないかと思います。」と記載がある。

②『内村航平 心が折れそうなとき自分を支える言葉』p.16に、ロンドンオリンピックの後、自分の体操人生を振り返って語った言葉で「表現したい理想の体操がある。限界まで、それに挑戦したいと思います。」と記載がある。さらに、「真の成功とは、自分のうち立てた夢を実現するために一歩でも近づこうする行為そのもののことを言うのだ」「挑戦する行為そのものが尊いわけであり、それはひょっとしたらゴールに到達することよりも大切なことかもしれない。」とある。

③『フィギュアスケート氷の上で感じた世界』p.23の「4回転ジャンプ、僕の場合」の項に、「4回転はやはり、足への負担が大きいです。4回転と3回転では回転の速さが違うと思いますし、高さも4回転の方が高い。だから、4回転をぎりぎりで降りてくる人ほど、捻挫などをするリスク、足への負担や衝撃が大きいです。そうした衝撃を、いかに膝や足首、股関節で逃せられるかが、リスクを小さくする方法になります。」と記載がある。

④『ひとつひとつ、少しずつ。』p.64の「心が折れてもあきらめない」の項に、「私は上達に時間がかかるタイプですが、一気にグーンと伸びる人もいます。正直、そんな人を見て「うらやましい」と思ったものです。「私とは違うんだ」と割り切れるようになったのは、25歳を過ぎてから。(略)若いうちにいい成績を残せなかったとしても、あきらめる必要はありません。人によって、伸びる時期は違うのですから。」と記載がある。

⑤『スポーツメンタルの科学』p.29の「菊野克紀」の項に、「以前に言われたKOへのトラウマもあったのですが、当時は「ビビっている自分に打ち勝つ!」くらいに考えていました。それが「弱い部分があってもいいじゃないか。それは自分の体が僕に対して足りないものを伝えてくれているのかもしれない」とも思えるようになっていきました。」と記載がある。

一般の人の言葉ではあるが、不安に打ち勝つための心構えが書かれたものが以下の著書である。
⑥『NO LIMIT』p.118の「不安を消すな」の項に、「こんな美しい山が目の前に見える。本能的に登りたいという自分と、危険だからやめておこうとする自分がいる。興奮と不安で心臓が高鳴る。山で大切なのは欲ではなく、自然にその一歩が前に出るかどうかだ。前に出る自分と、過去を守ろうとする自分。両極端にふたりの自分がいる。そのふたりの摩擦が大きければ大きいほど、登山というものは面白くなる。」と記載がある。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

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アスリートと恐怖心

(アスリートトキョウフシン)

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(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①葛西紀明『向かい風がいちばんいい』 河出書房新社,2017,118p. 参照はp.60-110.
②児玉 光雄『内村航平 心が折れそうなとき自分を支える言葉』 PHPエディターズ・グループ,2013,190p. 参照はp.16-17.
③小塚 崇彦『フィギュアスケート氷の上で感じた世界』 扶桑社,2019,256p. 参照はp.23-24.
④鈴木 明子『ひとつひとつ、少しずつ。』 KADOKAWA,2014,157p. 参照はp.64.
⑤若松 健太『スポーツメンタルの科学』,2018,109p. 参照はp.29-30.
⑥栗城 史多『NO LIMIT』 サンクチュアリ出版,2010,211p. 参照はp.118 -123 .

NDC分類
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780:スポーツ.体育

781:体操.遊戯

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