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国家公務員の「戒告」と「訓告」の違い

質問内容

国家公務員における「戒告」と「訓告」は、何が違うのか?

回答内容

①『逐条 国家公務員法』には、国家公務員法第八十二条に「懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」と定められ、さらに条文の解釈として「懲戒処分の種類と効果」「4戒告」の項に「戒告とは、懲戒処分として、その責任を確認し、及びその将来を戒める処分である(人規一二-〇 四)。戒告の処分を受けたものに対しては次の効果が随伴する。第一は、昇給について評価終了日以前一年間に処分を受けた場合、勤務成績がやや良好でない職員又は勤務成績が良好ではない職員として扱われ、昇給区分がD又はEとされる(人規九-八 三七1③)。第二は、勤勉手当の成績率が、標準より低い割合で決定される(人規九-四〇 一三、一三の二、一三の二の二)。」とあり、また、「訓告、厳重注意等は、職員に直接に法的効果を生じせしめるものではないので、「行政庁の処分」には当たらない。」とあります。

②『平成24年版 服務・勤務時間・休暇関係法令集』の「職員の意に反する不利益な処分に関する審査の判例等」「八 訓告および厳重注意の法的効果について」の項には、「本来、「訓告」および「厳重注意」は、国家公務員法に基づく懲戒処分ではなく、上級監督者としての部下職員に対する指導、監督上の実際的措置にすぎないもので、これによって直接、法的効果をもたらすところはない」とあります。

③『国家公務員制度』には、「「訓告」、「厳重注意」等に職務上の注意または矯正手段としてはともかく、制裁的実質をもつものとしては認められない。」とあり、「(4)戒告」の項には、「職員の義務違反に対してその責任を確認し、将来を戒める処分である。」とあります。

④『国家公務員法の解説』「(4)戒告」には、「懲戒処分として、その責任を確認し、その将来を戒める処分をいいます。(中略)以下のような効果が生じます。①(中略)昇給が延伸される。②戒告の処分を受けた日から一年を経過しない者は、特別昇給の適用除外となる。」とあります。

国家公務員ではないが、⑤『Q&A 地方公務員の分限処分、懲戒処分の実務』には、「Q45戒告処分は、厳重注意、訓告などとどう異なるのでしょうか。」という問いに対して「不利益処分となるか否かの違いが生じる。」「戒告とまぎらわしいものに厳重注意、訓告等がありますが、これらは、懲戒処分ではなく、(中略)、直接制裁的な法的効果をもたらすものではありません。」と答えてあります。

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国家公務員の「戒告」と「訓告」の違い

(コッカコウムインノ「カイコク」ト「クンコク」ノチガイ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

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①森園幸男, 吉田耕三, 尾西雅博『逐条国家公務員法』 学陽書房,2015,1372p. 参照はp.711,723-724.

②日本人事行政研究所『平成24年版 服務・勤務時間・休暇関係法令集』 日本人事行政研究所,2012,1858p. 参照はp.1012.

③佐藤達夫『国家公務員制度』 学陽書房,2009,214p. 参照はp.150.

④竹之内一幸, 橋本基弘 『国家公務員法の解説』 一橋出版,2006,175p. 参照はp.101.

⑤鵜養幸雄『Q&A地方公務員の分限処分、懲戒処分の実務』 ぎょうせい,2017,293p. 参照はp.85.

NDC分類
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317:行政、警察、防災

318:地方自治.地方行政

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