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子宝祈願
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関連する以下の資料を紹介しました。
①『日本民俗大辞典 上』の「こさずけ 子授け」の項目には、神仏や地蔵への祈願のほか、「海や川で拾ってきた子産石などと呼ばれる小石を拝んだり、神社にまつられている子持ち石・子孕み石などの名のある石を、抱く、なでる、願掛ける、またぐなどして祈ったりもする。樹木に祈願することも行われ、抱き松・子授け松・子授け銀杏・子持ち桜などと呼ばれるものもあって、木を抱いたり、周りを回ったり、樹皮を削って飲んだりする。」などの例が紹介されています。
②『日本産育習俗資料集成』(①の参考文献に記載あり)には、「1妊娠の祈願と呪法」で、青森県から沖縄県までの県ごとに神社名や祈願方法について解説しています。例として岡山県の項目では、子安観世音(久米郡大井西村坪井、現津山市)、鬼子母神の槐樹(岡山市浜野・松寿寺)、三石のお孕石(和気郡三石町、現備前市)、備中高島の子孕石(小田郡神島外村字高島・西方山中、現笠岡市)、鴨方の金山神社(浅口郡鴨方町小坂西・天神宮境内、現浅口市)、玉島の陰陽石(浅口郡玉島町・円通寺、現倉敷市)、根の権現宮(後月郡出部村字笹賀、現井原市)、ホーギの庚申様(浅口郡玉島町字勇崎、現倉敷市)、消渇神社(後月郡高屋町、現井原市)など多くの神社等が紹介されています。また、願掛けの方法にあたるものとしては、西大寺観音の「会陽の際用いた褌を土のついたまま、腹に巻いておけば妊娠する」、「石地蔵を人の気づかないように持ち帰り、これを抱いておくと妊娠する」、「子の欲しい女は男の下帯をくぐると子が出来るという」などと多数の例が記載されています。
③『日本民俗宗教辞典』の「子授け」の項目には、前述のもののほかに「安産で子だくさんの産婦の布団に寝る,えなの上に腰をおろす」との記載があります。「胞衣(えな)」の項目には「胎児を包んでいた膜と胎盤」との説明があります。
④『にほんのお守り』には、「子宝に恵まれたい」のページに静岡県善名寺の着物のお守りと子宝の湯とされる吉奈温泉、茨城県の鹿島神宮の常陸帯が紹介されています。
⑤『日本まじない食図鑑』には、子宝を願う縁起物として、香川県丸亀市の団子馬が紹介されています。
⑥『岡山県の守護神・祈願神』には、子宝の祈願神として、観音寺・不洗観音(倉敷市中帯江)、松寿寺・鬼子母神の槐(岡山市浜野)、猿神社(津山市一宮)、大雲寺・日限地蔵(岡山市表町)がそれぞれの由来と合わせ、紹介されています。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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