デジタル岡山大百科 | 岡山県立図書館

母銭

質問内容

寛永通宝などの日本の古銭の「母銭」についての説明や写真が掲載された本はあるか。

回答内容

以下の資料を紹介した。引用部分の旧字体は出典資料のとおり記述した。

①『図録 日本の貨幣 3 近世幣制の展開』
「第7章 江戸期の貨幣鋳造 第4節 銭座 二 銭座の組織および作業」に〈母銭〉の項目があり、「母銭とは鋳銭にあたり鋳型を造る銭貨の原型をいい、江戸時代は多く種銭(たねせん)と呼ばれた。」とある。母銭の種類や鋳銭の行程の説明が記載されている。図版ページに「錢貨母型類」として、寛永通寶などの「彫母錢」「鑄浚母錢」「錫母錢」「銅母錢」のカラー写真があり、図版解説でそれぞれについて詳細に説明されている。

②『日本貨幣収集事典』
「方孔銭(穴あき銭)用語の解説」の項目では、「母銭(ぼせん):通用銭の鋳型をとる型銭。彫母、錫母、銅母がある。☆種銭」(☆は同義語)、「種銭(たねせん):銭貨鋳造の際、鋳型をつくるために用いる母型のことで、母銭ともいう。彫母、錫母、銅母とある。」、「彫母(ほりぼ):手彫りの母銭で、純銅が普通。これから錫母→銅母→通用銭あるいは銅母→通用銭という工程で鋳銭される。」と記載されている。また、「古寛永と新寛永の違い」の項目には、母銭と通用銭の断面図や新寛永銭の鋳造過程が図とともに説明されている。

③『貨幣 日本史小百科』
「近世銭 寛永通寶」の項目に製作方法について書かれており、母銭に関する記載がある。

④『お宝貨幣なんでも読本』
「通貨として流通した銭は「通用銭」と呼ばれ、それとは別に銭座などに保管され、市場に流通しない「母銭」がありました。母銭は通用銭を鋳造するプロトタイプ(原型)の意味があるので、図柄や刻印がはっきりしていて、希少性が高いのです。そのため母銭のプレミアは、通用銭の100倍ほどつきます。」との記載あり。

回答館・回答団体

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母銭

(ボセン)

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(オカヤマケンリツトショカン)

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①日本銀行調査局/編『図録 日本の貨幣 3 近世幣制の展開』 東洋経済新報社,1976p. 参照はp.51-54,110-111,335.
②『日本貨幣収集事典』 原点社,2003,312p. 参照はp.141,168-169.
③滝沢 武雄/編『貨幣 日本史小百科』東京堂出版,1999,362p. 参照はp.189.
④竹内 俊夫/著『お宝貨幣なんでも読本』講談社,2013,159p. 参照はp.80-81.

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337.21

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