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水中毒と多飲症
質問内容
回答内容
①『多飲症・水中毒』
P.20-21 「多飲症は過剰に飲水をしてしまうという“行動”に着目した病態です。」とあり、具体的な問題点を4つ挙げている。「一方、水中毒というのは、なかには重篤な病態へと発展するものもありますが、原則として一過性です。」とあり、本書では「水中毒とは、多飲症により誘発されるもので、希釈性の低ナトリウム血症による諸症状を呈している状態である」と定義している。多飲症と水中毒の症状の違いについて図表を用いて説明されている。
P138-139 多飲症(polydipsia)は、「すべての人が納得するようなはっきりした説明がしにくい病態」であり、山梨県立北病院では、「多飲症とは、飲水に関するセルフケア能力が低下しているために、体重が著明に増加するほどの飲水をしてしまうことであり、過剰な水分摂取により日常の生活にさまざまな支障をきたすことである。」と定義している。「飲水に関するセルフケア」や多飲症の最大の問題点について具体的に説明されている。
p141-145 「一般的に、多飲症は精神科疾患が発症してから5~10年後の、いわゆる慢性期に目立つようになるといわれています。」とあり、多飲症患者の経過や身体症状、多飲症の重篤度分類について図表を用いて説明されている。「水中毒は、多飲症の結果として発作的に出現する病態を指すものです。その経過において多飲症による身体症状も認められることがしばしばで、また、多飲症の症状と認識されている病態のなかには軽度の水中毒による症状も含まれています。」と書かれている。
P146「精神科領域における水中毒(water intoxication)とは、多飲症による体内への水分貯留が原因で血液中のナトリウム濃度が低下すること(希釈性低ナトリウム血症)と、それに伴う血漿浸透圧の変化により脳浮腫をきたすことで、さまざまな神経・精神症状を呈する状態をいいます。つまり、文字どおり「水に中(あた)る」ことを意味しており、あくまで一時的な病状と考えるべきものです。」とあり、水中毒の症状や症例の経過、水中毒の重症度分類について図表を用いて説明されている。
②『水中毒・多飲症患者へのケアの展開』
p12-13 「水中毒(water intoxication)とは、なんらかの原因によって体内に大量の水分が貯留して、低浸透圧血症、低ナトリウム血症が惹起された結果、さまざまな臨床症状が出現した状態を指す」とあり、「本稿では混乱を防ぐために、健常者と比較して大量の水分を摂取する状態のことを「多飲症」、多飲症によって体内に大量の水分が貯留した結果、さまざまな臨床症状が出現した状態のことを「水中毒」と呼ぶこととする。」と説明されている。
P13「慣習的に、多飲症とは1日3ℓ以上の水分を摂取する患者のことを指すと定義されてきた。ただし、臨床現場では統合失調症患者の飲水量を毎日厳密に測定することは困難なので、この定義にもとづいて多飲症と診断されることはほとんどなく、多飲症との関連の深い別の指標を用いて診断されるのが普通である」と書かれている。「水中毒の臨床症状は、精神症状と神経症状の2つに大別できる」とあり、それぞれの症状について書かれている。また、重症化した場合に起こる症状についても説明されている。
P.16 多飲症の臨床分類と経過について説明されている。
③「水のがぶ飲みは「水中毒」にご用心」『文藝春秋』第97巻第12号
P272「大量の汗をかいた後、渇きのおもむくまま大量の水だけを一気に飲むと、頭痛や嘔吐、体のしびれや痙攣などを起こすことがあります。いわゆる「水中毒」と呼ばれる症状で、重篤な場合は昏睡状態に陥ったり、命に関わることもあります。」とあり、水中毒に至るメカニズムについて説明されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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