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砂糖の調理特性
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回答内容
①『砂糖の事典』の「はじめに」の中で「砂糖は最も馴染みのある調味料の一つですが、食品加工においては、単に甘味料としての役割だけではなく、加工食品においては親水性、気泡安定剤、浸透圧調節の他にでんぷんの老化防止作用、パンなどにおける着色反応、食品の防腐効果など様々な働きを持っています。ジャムは砂糖が無ければゼリー化が難しいなどの事実もあります。」と書かれている。p.153には「ビーフシチューを作るとき、特に砂糖をもみ込むと、砂糖が水をひきつけて、肉のコラーゲン組織(タンパク質の一種)を溶かすので、肉が早くやわらかくなります。この料理法は、「砂糖の脱水作用」と後で述べる「砂糖のタンパク質の熱凝固抑制効果」のダブルパワーを利用しています。」と書かれている。
②『砂糖百科』第8章砂糖の特性 第3節「調理及び食品加工での利用特性」の中で砂糖の親水性(脱水性と保水性)、水分活性(防腐性)、保香性、造形性、貯蔵・保管性、タンパク質の熱凝固性改善などの特性が記述されている。p.296-297〈8.3.1 砂糖の親水性〉に砂糖の分子内に水分子と結合しやすい水酸基を多く持っていること、肉が早く柔らかくなるのは砂糖の親水性が発揮され、食品の水分を砂糖が抱え込むためであることが説明されている。タンパク質の熱凝固性に関しては、卵液に砂糖を加えると卵液のタンパク質の凝固温度が上昇し、変性を防止することが可能になることがp.314で説明されている。
③『砂糖の科学』第5章第4節「食品加工および調理での利用特性」の中で、水分活性(防腐性)、タンパク質の熱凝固性の改善、親水性などの特性が記述されている。
④『砂糖入門』のp.113-114に水分活性に及ぼす砂糖の影響、p.118-119にたん白質の熱変性に及ぼす砂糖の影響が記述されている。
⑤『オレンジページ』2014年1月2日号のp.16に「鶏ハム」の作り方として「砂糖、塩各大さじ1/2、こしょう少々を全体にふり、手ですり込んでしっかりとなじませる。」、吹き出しで「これで柔らか!砂糖の保湿効果が、加熱後のパサつきを防ぎ、しっとりさせてくれます。」と書かれている。
⑥『大人の肉ドリル』の「肉をおいしくする4つの方法。」に「1 保水力の高い調味料で加水する。」とあり「砂糖もたんぱく質(コラーゲン)と水分とを結びつけ、肉をやわらかくし、抱え込んだ水分を離さない性質がある。」と記述されている。
⑦「食肉の基礎的研究(第一報) 牛肉のやわらかさについて」によると「調味料添加により生肉のやわらかさが増し、特にテンダライザー*、砂糖において著しい」との実験結果が示されている。(*Adolphs Meat Tenderrizer 柔軟酵素)p.81に表Ⅱ〈調味料による牛肉のやわらかさの相違〉があり、塩・味の素・砂糖・テンダライザー・酢・醤油の6種類の添加調味料を加えた際の牛肉のやわらかさを測定している。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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