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鬼の髪型
質問内容
鬼の描かれ方について、商品パッケージなどで見られる鬼はアフロヘアが多い気がする。
なぜアフロヘアなのか、いつ頃からアフロヘアのイメージが現れたのかが分かる資料はないか。
回答内容
アフロヘアをした鬼のイメージに関して、その理由や来歴を明記した資料は見つからなかったが、確認した以下の資料から参考になるものを挙げた。
①『日本怪異妖怪大事典』の「鬼」の項では、その特徴として「顔は醜悪で、頭には角が生えており」などとされるが、髪型に関する記述は見られない。
②『日本説話伝説大事典』の「鬼」の項では、「頭には角をはやし、手には金棒をもち、虎の皮のふんどしをしめる」とあるが、髪型に関する記述は見られない。
③『日本の鬼図鑑』には、「室町時代になると鬼は図像化が進み、今日の鬼のイメージの原型ともいえるような鬼の姿が見られるようになる」とあり、外見のイメージとしては「牛のツノを生やして虎の皮のパンツをはいている姿」「恐ろしい形相のもの」などが指摘されるが髪型に関する記述は見られない。掲載されているさまざまな鬼の図の中には、長い毛を垂れ流しているものや、波打った短い毛が逆立っているものなどが多く確認でき、また「書画五十三駅」に描かれた四鬼(p.78)は一部巻き髪のように描かれているものもあるが、アフロヘアと言えるか定かではない。
④『怪異の民俗学 4 鬼』の「絵巻のなかの鬼」では、絵に描かれた鬼のイメージを研究している。そこで整理された内容によると、「毛髪」について「生い上がる毛髪、縮れた乱髪」とされている。
⑤『鬼ともののけの文化史』には、「日本人の一般に想像する鬼のイメージを図に示してみた。(中略)頭髪は縮れ毛で、頭に二本か一本の角を生やし」とあり、髪型に関する記述があった。また、多くの鬼の図が依拠参考文献とあわせて掲載されており、縮れ毛でカールした髪の毛の鬼(p.7など)の姿が見られる。
⑥『加門七海の鬼神伝説』では、「絵本に出てくる鬼の姿は、大概、赤い顔にギョロ目のパンチパーマ、牛の角と虎の牙を持っていて、虎皮の褌を着けている」とされるが、鬼の髪型が「パンチパーマ」とされる理由・来歴は記述されていない。
商品パッケージに使用されている鬼のキャラクターについては、⑦『昭和のレトロパッケージ』に、株式会社明治から発売されていたおかし「かなぼうくん」の1971年採用のパッケージ写真が掲載されており、アフロヘアのような髪型が確認できた。
⑧『70年代小学生歳時記』には、1970年代の節分の様子として、でん六製の「福豆」についている立体的な鬼の面に関する記述がある。掲載されている写真の鬼の面の髪型は、カールした巻き髪のように見える。また、1972年から赤塚不二夫がデザインした鬼の面もついていたとあり、現代もフジオ・プロがデザインする鬼のお面がおまけとして付いているともある。このお面は、株式会社「でん六」のHP(⑨)に50面全てが掲載されている。1972年に赤塚不二夫がデザインした第一号のお面の髪型は、クルクルした巻き髪のようである。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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