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喫煙(タバコ、ニコチン)の効用
質問内容
回答内容
資料①『本当のたばこの話をしよう』では、タバコがアルツハイマー型などの認知症の予防になるという説が以前からあるが、それらはマウスの実験でニコチンの投与により神経細胞が増えたり活性化したりした結果に基づいているのであって、マウスの実験とヒトの認知症の発生とは直接関係ないと説明がある。
資料②『もの忘れを防ぐ禁煙法』に「喫煙と神経の病気」の項目があり、「パーキンソン病は喫煙者に少ない病気として知られています。」とある。
「ニコチンが脳に作用してドーパミンを分泌させることで、パーキンソン病の原因であるドーパミンの分泌の低下を起こりにくくするため」とあるが、パーキンソン病にかかってから喫煙しても症状の改善はできない、喫煙による発ガンや認知症発症のリスクもあるため喫煙のメリットはないと説明がある。
資料③『禁煙学』の「認知症・精神疾患」の項目でも、「統合失調症の陰性症状は、前頭皮質でのドパミンの低下が原因とされており、またニコチンには側坐核や前頭前野のドパミン濃度を上昇させる作用があるため、結果的に喫煙により陰性症状が改善したと考えられている。」とあるが、喫煙により心血管障害のリスクは2倍になり統合失調症患者の寿命を20%縮めること、喫煙行動には火災の危険性が潜在することなどから禁煙指導は行われるべきであるとの説明がある。
資料④『たばこはそんなに悪いのか』の「ニコチンの薬理的効用」の項目では、アセチルコリンやドーパミンなどの脳神経伝達物質の受容との関わりから、「パーキンソン病や潰瘍性大腸炎などの罹患者が有意に少ないといわれます。」とあり、ニコチンの薬理作用に着目した医薬品開発も進んでいるとある。
資料⑤『喫煙科学研究の歩み 1996年から2005年』、資料⑥『喫煙科学研究の歩み 2006年から2015年』では「喫煙と神経系」の項目があり、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患とニコチンとの関係についての研究やトピックスを紹介している。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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