デジタル岡山大百科 | 岡山県立図書館

レファレンスデータベース > 今川焼の岡山での呼称

今川焼の岡山での呼称

質問内容

岡山県では「今川焼」を他の言い方で呼ぶことがあるか。

回答内容

・『日本全国地図の謎』(資料①)では、今川焼について「回転焼き、大判焼き、太鼓焼き、二重焼き、太閤焼き、甘太郎焼き、円盤焼き、黄金焼き、ドンドン焼き、おやき、どら焼きなど、各地域によってさまざまな名称がある」とし、「今川焼きの呼び名分布図」を掲載する。この分布図で岡山県は「大判焼き」となっている。

・『新聞社も知りたい日本語の謎』(資料②)では、読売新聞の総・支局の調査として「今川焼きの名が残るのは、混在地を含めて13都道府県。回転焼きの15府県、大判焼きの20件に及ばなかった」とある。その全国分布図でも岡山県は「大判焼き」となっている。

・1955年11月25日『山陽新聞』(資料③)には、「街のオヤツ」として今川焼が「戦前いつとなく、うぶ声をあげ、戦争中一時姿を消していたが、終戦後、粉食熱にのって再登場」、「関東方面では今川焼 関西では回転焼、夫婦焼の方が通りがよく、さらに岡山では土地の名称や神社などの名前をとって柳川まんじゅう、日限まんじゅうとなっている」という声が紹介されている。

・『岡山表町商店街物語』(資料④)では、「岡山の甘味は昔から大手饅頭が有名だが、今は『御座候』が人気だ。昔は太鼓焼きと言ったが、大阪では回転焼き、東京では今川焼だ」と振り返り、「表町では千日前の『お福饅頭』が長く続いている」、「岡山では昔から駅西口の『お竹饅頭』が大きかった」とも述べている。


山陽新聞データベースSandexより「大判焼」「今川焼」をキーワード検索したところ、「泉」、「ちまた」欄に「ふうまん」(ふーまん)や「ふうふうまんじゅう」と呼ぶ投稿⑤~⑩が確認できる。


・2010年1月27日『山陽新聞』(資料⑤)には、美咲町68才の投稿者が「私が高校生だったころ、学校の近くにふうまん屋があった。『1個10円』の張り紙。今の大判焼である」と寄せている。

・2011年10月1日『山陽新聞』(資料⑥)には、岡山市中区82才の投稿者が「フーマン」について「和菓子大好物の私におまんじゅうが浮かんだ」と寄せている。

・2013年2月11日『山陽新聞』(資料⑦)には、総社市61才の投稿者が「あの有名な『北房ぶり市』に行ってきたがなあ」、「買うたのは1袋500円のイリコと、ふうふうまんじゅうだけじゃった」と寄せている。

・2016年11月23日『山陽新聞』(資料⑧)には、吉備中央町85才の投稿者が「地区文化祭が開催され足を運んだ。会場に着くと『フーマン焼き』が目に飛び込んできた」と寄せている。

・2022年3月9日『山陽新聞』(資料⑨)には、倉敷市70才の投稿者が「回転焼きは、地域によっていろいろな呼び名がある。私の実家がある県北では「ふーまん」と呼んでいた」と寄せている。

・2022年11月18日『山陽新聞』(資料⑩)には、吉備中央町78才の投稿者が「11月に入り秋が深まってくると思い出すのは70年前の少女時代」、「街角にあったふうまん屋さんで焼きたてのまんじゅうを食べてから路面電車に乗り城下で下車」と寄せている。

その他、「ふうまん」に関する記事としては、次のようなものもある。

・2014年5月18日『山陽新聞』(資料⑪)では、倉敷の「ふるいち」について「同社は終戦後間もない1948年、泰久さんの父でアイスキャンディーの行商をしていた会長の博さん(82)が倉敷駅前に設立した。ほどなく手掛けた大判焼『ふーまん』のヒットをきっかけに、小麦粉を使う“粉物事業”を本格化。60年代、うどん店に転換した」と紹介する。

・2016年8月3日『山陽新聞』(資料⑫)には、「倉敷市玉島に『ふうまん』と呼ばれるまんじゅう・夫婦焼の老舗『オリンピック』がある」とある。

・2008年10月15日『山陽新聞』(資料⑬)の「店られて笠岡ツアー 食べ歩き編」の内容紹介では、「昔から親しまれている大判焼き『ふーまん』」とある。

・2019年8月16日『山陽新聞』(資料⑭)には、倉敷製帽会長の岡荘一郎氏が「青陵高3年の頃、土曜の昼に授業が終わると、友達とふーまん(大判焼き)を買って、大原美術館の真ん前、今橋の欄干に腰掛けて食べるのがお決まりだった」とコメントしている。

・「《岡山市/福福饅頭》岡山のソウルフード?! 『ふーまん』とは一体何か? - Webタウン情報おかやま」(資料⑮)では、東京から岡山に移住したライターが大判焼を扱う「福福饅頭」を訪れ、「これは岡山では何と呼ばれているんですか」と店主に尋ね、諸説ありとしながらも「この辺りでは『ふーまん』と呼ばれていますね。焼く時に上の生地と下の生地をべたっとくっつけるから『夫婦饅頭』とも呼ばれていて、それを略して『ふーまん』になったようです」と回答している。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

カテゴリ情報

カテゴリ情報レファレンスデータベースレファレンス事例データ岡山県立図書館

メタデータ

レファレンス事例
タイトル
レファレンス事例
タイトル

今川焼の岡山での呼称

(イマガワヤキノオカヤマデノコショウ)

回答した図書館または団体
回答した図書館
または団体

岡山県立図書館

(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①浅井建爾『日本全国地図の謎』 東京書籍,2013,157p. 参照はp.108-109.
②橋本五郎『新聞社も知りたい日本語の謎』 ベストセラーズ,2010,285p. 参照はp.26-28.
③「カメラ流し目126 街のオヤツ」『山陽新聞』(1955年11月25日夕刊)山陽新聞社.参照はp.1.
④末廣健一『岡山表町商店街物語』岡山 吉備人出版,2019,203p. 参照はp.92-94.
⑤「泉 ふうまん」『山陽新聞』(2010年1月27日朝刊)山陽新聞社.参照はp.12.
⑥「ちまた 補聴器購入に拍車」『山陽新聞』(2011年10月1日朝刊)山陽新聞社.参照はp.31.
⑦「ちまた 方言ばあじゃ 行ったら感動べえはん違う」『山陽新聞』(2010年1月27日朝刊)山陽新聞社.参照はp.27.
⑧「ちまた 地区文化祭で楽しい一日」『山陽新聞』(2016年11月23日朝刊)山陽新聞社.参照はp.27.
⑨「ちまた 『ふーまん』 亡き父思い出す」『山陽新聞』(2022年3月9日朝刊)山陽新聞社.参照はp.20.
⑩「ちまた 70年前の少女時代思い出す」『山陽新聞』(2022年11月18日朝刊)山陽新聞社.参照はp.25.
⑪『山陽新聞』(2014年5月18日朝刊)山陽新聞社.参照はp.29.
⑫『山陽新聞』(2016年8月3日朝刊)山陽新聞社.参照はp.30.
⑬『山陽新聞』(2008年10月15日朝刊)山陽新聞社.参照はp.36.
⑭『山陽新聞』(2019年8月16日朝刊)山陽新聞社.参照はp.7.
⑮Webタウン情報おかやま『《岡山市/福福饅頭》岡山のソウルフード?! 「ふーまん」とは一体何か?』 URL:https://tjokayama.jp/gourmet/39212/ (2022/1/28確認)

回答情報源へのリンク
回答情報源への
リンク

《岡山市/福福饅頭》岡山のソウルフード?! 「ふーまん」とは一体何か? - Webタウン情報おかやま

関連情報URL
関連情報URL

ame="viewport" content="width=device-width"> <title>場所によるものの呼び方の違い、日本列島あちこち、方言アレコレ|第1回|「今川焼き」の呼び方、その違いを探る!

場所
場所

岡山県

NDC分類
NDC分類

596:食品.料理

その他のメタデータを表示
このページのURL
このページのURL

http://digioka.libnet.pref.okayama.jp/detail-jp/id/ref/M2023012717342938717