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パステルとはどのような色か

質問内容

17世紀以前のフランスで使われていた「パステル」という色がどんな色か見たい。
また「藍」のように植物を原料とする色と聞いたが、どのような植物なのか、また歴史なども知りたい。

回答内容

①『フランスの色』には「ブルー」の章に「パステル Pastel:Woad Blue 大青染料の青色」がある。「パステル」の染料には、青色では最古の植物染料であるアブラナ科の多年草、大青(たいせい)が使われるため、大青のフランス名から色の名前がつけられていることが書かれている。また、歴史については「十世紀以降、フランス北部、スペイン、イギリスなどで盛んに栽培され消費された。(中略)十七世紀になると鮮やかなインディゴが輸入され大青は用いられなくなった。」という記述がある。巻末には「パステル」の色票も掲載されている。

②『フランスの伝統色』には「ブルー Bleu:Blue」の章に「168.パステル タイセイの青」がある。「パステル」の染料についての説明、また「BC6000年頃のものと思われるタイセイの布地が発見されている。10世紀以降、隆盛を極め、(中略)大量に消費されたため、多くのタイセイ長者を生み出した。」など歴史についても書かれている。色見本も掲載されている。

③『御所のお庭』の中で春に咲く花として「パステル」の花の写真が掲載されている。また、「背丈70センチほどで、5月に黄色の小花をたくさんつける。南欧原産で、葉は藍色(インディゴ)の染料となる。和名はホソバタイセイ(細葉大青)、フランスではパステ
ルと呼ぶ。」との説明もある。

④『色』には「青 Bleu」の章の「青色の使い方について」の中に「ホソバタイセイ(学名:Isatis tinctoria)」がある。大青染料の特徴、染色の歴史や方法、顔料の写真と「ホソバタイセイ」のイラストが掲載されている。

⑤『クロマトピア』では「Ⅱ文明の始まりとともに」の章に「ウォード(大青) WOAD」がある。石器時代からヨーロッパで使われていた染料と紹介されており、ホソバタイセイの葉で染料を作る工程や歴史について書かれている。

⑥『世界のインディゴ染め』の「ブルーのライバル・パステル/ヨーロッパのインディゴ」の章に「パステル」という植物の特徴、分布地域や染料としてのパステルの歴史、抽出法などが書かれている。また写真もありパステルの花や製造された色粉、パステル染めの糸などが掲載されている。

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パステルとはどのような色か

(パステルトハドノヨウナイロカ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
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➀コロナ・ブックス編集部『フランスの色』 平凡社,2010,135p. 参照はp.73,130.
②城一夫『フランスの伝統色』 ピエ・ブックス,2008,191p. 参照はp.97.
③宮内庁『御所のお庭』 扶桑社,2010,301p. 参照はp.68-69.
④アンヌ・ヴァリション『色』 マール社,2009,287p. 参照はp.184-185.
⑤デヴィッド・コールズ『クロマトピア』 グラフィック社,2020,15,223p. 参照はp.35.
⑥カトリーヌ・ルグラン『世界のインディゴ染め』 パイインターナショナル,2019,287p. 参照はp.12-13,16-17,20-23.

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757:デザイン.装飾美術

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