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体育の笛
質問内容
回答内容
質問内容について明確に記載されている資料は見つからなかった。
参考になりそうな資料として以下のものを紹介した。
①『学校体育制度史』には、明治35年2月6日に公布された中学校教授要目からの抜粋が掲載されており、教授用備品として喇叭が挙げられている。
②『近代体育文献集成 第21巻』所収「実験普通遊戯法 上巻」1902(明治35)年では、競技開始の合図に笛を用いる方法が記載されている。また、フットボールの用具として呼子笛が挙げられており、審判が休止または開始の合図として用いるとされている。
③『遊戯の実際』1902(明治35)年では、兵庫県御影師範学校附属小学校での遊戯教育の紹介の中に、「教師が常に持って居る呼子笛で合図する」とある。
④『体操と遊戯の時間』1910(明治43)年では、バスケットボールの試合で、審判官、時報者が笛を吹いて合図するとされている。
⑤「体育の父・永井道明先生」『新体育』では、「永井先生について逸してはならないことがある。それは体操教師の片時も忘るべからざる一事である。それは先生は四六時中つねに笛を携えておられたことである。」「体操教師と笛、これは不可欠とのことで、この用意の精神こそ一大事であろう。」との記述がある。
著者が永井道明(1869-1950)に出会った時には60歳を越えていたとの記述があることから、1929(昭和4)年以降のことと考えられる。
⑥『体育科事典』1959(昭34)年には、p.761に一斉指導の際に笛を使用することについての記述がある。その他、剣道、ハンドベースボール、バレーボールなどの審判が笛を用いる記述がある。
また、体育に限らず学校教育で笛が用いられていた事例については以下のような資料が見つかった。
⑦『郷土科教授指針』1902(明治35)年には、「遠足に必要なる携行品」として呼子笛が挙げられている。
⑧『実験野外教授 : 自然研究』1903(明治36)年には、小学校での野外活動において、生徒の注意を集めるために呼子笛を用意するとされている。
⑨『小学校に於ける美感的施設』1907(明治40)年には、「笛は児童を呼集する場合、又は行進中歩調を調ふる場合等に、使用する」とある。
その他以下のような資料を確認したが、該当する記述は見つからなかった。
・永井道明『学校体操要義』大日本図書, 1913
・『学校体操教授要目 : 文部省訓令』東京宝文館, 1913
・竹之下休蔵『体育五十年史』時事通信社, 1950
・『保健体育科大事典』国土社, 1963
・今村嘉雄『体育史資料年表』不昧堂書店, 1963
・岸野雄三『近代体育スポーツ年表』大修館書店, 1973
・大石三四郎『新体育学大系 10』逍遙書院, 1979
・川島虎雄『日本体育史研究』黎明書房, 1982
・阪田尚彦『学校体育授業事典』大修館書店, 1995
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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