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獅子舞の角
質問内容
回答内容
①『狛犬事典』では、「第11章 獅子舞と獅子使い」の章で獅子舞の起源について考察している。その中で、中国の宋時代に描かれたとみられる「信西古楽図」に枝角が生えた獅子頭があり、これが後の頭に一角のある狛犬の原型かもしれないとしているほか、『枕草子』の記述から、「当時の人々は獅子頭の面をかぶって舞う獅子舞をも「獅子・狛犬」と呼んでいたと思われる」としている。また、延暦20(801)年『多度神社寺伽藍縁起資材帳』、貞観9(867)年『安祥寺資材帳』などの記述から、「一角を持つ獅子頭は「高麗犬」「狛犬」と呼ばれていた」としている。
②『獅子』は、狛犬のルーツを頭頂に角のがついた中国の霊獣「辟邪」像にさかのぼるとしており、これが後世獅子舞や舞楽の被りものになったとしている。
③『論集日本の仮面 上巻』では、一対のうち一方は頭頂に一角をつけ、他は宝珠をつけた法隆寺の獅子頭が写真とともに紹介されている。また、獅子狛犬にこれと似た区別があることから、「本来このように仕分けたものと思われる。」としている。
④『柳田國男全集 25』「獅子舞考」では、「もともと工人の目撃せざる空想の獣であれば、一つや二つの角ぐらいは無造作にかげんしたろうとも言い得るが、自分が重きを置くのはたんに角の有無では無く、如何にも唐獅子の頭上には不向なる枝沢山の角のある点である。」とし、①~③に見られる獅子狛犬と獅子舞の起源を同一とする説に疑問を呈している。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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