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戦時期の白金・銀の供出

質問内容

岡山県では、戦時期の白金・銀の供出状況がどのようであったか

回答内容

①『岡山県政史 明治・大正編・昭和前期編』
p.683-687
「昭和前期編」の「第十六章 決戦体制と終戦 第五節 貴金属回収と戦力資材の増産」に岡山県内の白金と銀の回収状況について、まとめられている。

「白金装飾品等の回収運動」は、昭和「十九年九月に県は政府の要請により、戦備品として白金の非常回収運動を始めた。」とある。
供出成績は、「同年十月末現在で供出者は三、九三三名・六、二五七件(数量は不明)で、目標に対し二五〇%で全国第一位であった。なお、十一月十五日現在では二七〇%(全国平均一一〇%)の成績をあげた。」とある。
「白金装飾品等ノ回収実施要綱(昭和十九年九月二十二日)」や「新聞広告(昭和19年9月合同新聞)」(②)が掲載されている。

「銀の回収運動」については、「十九年十一月に県は政府の要請により、白金の非常回収運動に引続いて銀の回収運動を始めた。」とある。
供出成績は、「二十年一月二十日現在で二、四九一貫(県の目標二、一〇〇貫に対し一一九%)にのぼる」とある。
「銀等ノ回収実施要綱(昭和十九年十一月十一日、県)」や、12月9日に各学校に対して発した通牒として「銀ノ緊急確保ニ関スル件」が掲載されている。

② ①に記載のあった、白金に関する「新聞広告」は、合同新聞の昭和19年11月6日2面に掲載がある。

③『岡山県史 第12巻 近代 3』
p.475-477
「貴金属の回収」の項目にまとめられている。

白金については、「一九四四年九月、白金の非常回収運動が始まった。」とあり、「当時軍需省と岡山県との連名で出された「お知らせ」」や、供出成績、「回収実施要項」の概要が説明されている。
回収の対象は、「国民の手持ちのプラチナ製品(装飾品・賞牌・時計・メダル・指輪など)地金、金属屑」が挙げられている。

銀については、1944年11月に回収が始まったとあり、「大蔵省と中央物資活用協会」が発行したビラ「銀の回収について」や、「回収実施要項」の概要、各学校に対しての申し入れ、回収量が説明されている。
回収の対象は、「銀製の室内装飾品・化粧用品・装身具・食器・茶器・喫煙具・文具・カップその他の銀製品・銀地金・古銀貨・外国銀貨」が挙げられ、「恩賜品を除く」とある。
各学校に対しては、学校備品・校友会などの銀製品の賞牌が回収対象として挙げられている。

④『目でみる岡山の昭和 1』
p.101
「白金供出のおふれ」の写真が掲載されている。

⑤『全国戦災史実調査報告書 平成9年度 金属等の回収・供出に関する記録』
p.135
金属供出に関する合同新聞の記事の写しが6件、掲載されている。

特に、白金については「歯科醫や花街にはある 勝つために白金を捧げよう」(19.9.26)という記事が紹介されている。

銀については「銀なくば勝てず」(19.12.7)、「殖える銀製品」(19.12.11)、「思出の優勝盃 デ盃の原田武一氏も供出」(19.12.15)という記事がそれぞれ紹介されている。

その他、合同新聞の記事は以下のようなものが確認できた。

⑥昭和19年10月10日1面 「白金を強制買上」
         2面 「擔保物でも構はぬ 必ず譲渡を申込まう 白金強制買上げ」

⑦昭和19年10月13日2面 「笠岡町の白金 供出好成績」

⑧昭和19年10月16日3面 「白金を捧げん」
         4面 「白金を出さう」

⑨昭和19年10月22日2面 「全国で第一位 岡山縣の白金供出」

⑩昭和19年10月25日3面 「新法發令後も白金買上げは従来通り」

⑪白金に関する新聞広告は、昭和19年10月6日から11月15日まで、ほぼ毎日掲載されていた。

⑫昭和19年12月1日2面 「銀動員推進隊」

⑬昭和19年12月4日2面 「銀器出陣展示會」

⑭昭和19年12月14日2面 「「銀なし」縣へ總進軍」 「赤磐郡の銀 買上日割」

⑮昭和19年12月18日2面 「愛着を断ち切って全部供出」

⑯昭和19年12月19日2面 「岡山、倉敷不調」

⑰昭和19年12月21日2面 「未供出七〇%」

⑱昭和19年12月23日2面 「当局に聽く 銀の買上所」

⑲昭和19年12月26日2面 「あとさらひ回収も續々」「根こそぎ回収へ」

⑳昭和19年12月28日2面 「銀 いますぐ出さう」

㉑昭和19年12月29日2面 「十五割の好成績 川上郡下の供出町村別」

㉒昭和19年12月30日2面 「期待ほど出ぬ 一月も再回収續行」

㉓昭和20年1月4日2面 「銀でも日本一へ 岡山縣の回収けふ再開」

㉔昭和20年1月14日2面 「銀供出一一〇%」

㉕昭和20年1月17日2面 「月末まで延長」

㉖昭和20年1月20日2面 「当局に聽く 銀貨と供出」

㉗昭和20年1月25日2面 「銀回収百十九%」

㉘銀に関する新聞広告は、昭和19年11月27日から昭和20年1月29日まで、ほぼ毎日掲載されていた。

回答館・回答団体

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戦時期の白金・銀の供出

(センジキノハッキン・ギンノキョウシュツ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①岡山県『岡山県政史 明治・大正編・昭和前期編』岡山 岡山県,1967,760p. 参照はp.683-687.
②『合同新聞』,昭和19年11月6日,p.2.
③岡山県史編纂委員会『岡山県史 第12巻 近代 3』[岡山] 岡山県,1989,720,7p 図版5枚. 参照はp.475-477.
④『目でみる岡山の昭和 1』岡山 日本文教出版,1987,173p. 参照はp.101.
⑤『全国戦災史実調査報告書 平成9年度 金属等の回収・供出に関する記録』 日本戦災遺族会,[1998],195p. 参照はp.135.
⑥~⑪『合同新聞』,昭和19年10月6日~11月15日
⑫~㉘『合同新聞』,昭和19年11月27日~昭和20年1月29日

NDC分類
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312:政治史・事情

217.5:岡山県

210.7

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