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熊沢蕃山の山林保護思想
質問内容
回答内容
①『江戸時代の林業思想研究』では、「熊沢蕃山の林政論」として「山林の重要性の認識」、「山林荒廃論」、「山林復興論」という3つの論点を掲げ、「集義外書」や「大学或問」などの著作を引用しながら、蕃山の林政思想を論説する。
②「熊沢蕃山の環境保全論が岡山藩における山林保護政策に与えた影響について」では、「熊沢蕃山の生涯」と「岡山藩の河川・山林保護政策と新田開発」の状況を概観し、岡山藩が「1654年には山林の無計画な伐採を禁止し,さらに 1656年,領内の山に松を植樹するよう命じている」として、熊沢蕃山の環境保護思想の影響が述べられている。
③『反近代の精神熊沢蕃山』の「わが国最初のエコロジスト」には、「慶安元年(一六四八)に岡山藩で蕃山は無用な乱伐を禁ずる山林法令を定めている。治山治水の実を挙げるため、蕃山は岡山郊外の平田、龍口諸林に植林し、樹木の切り株(蘖株)の掘り取りを禁じるともに、各郡内の山に松種を播種させた」とある。
④『山林家としての蕃山』には、「蕃山當時の山林法令を掲けいかに林政に重きをおきしかの一斑を示さん」として、資料③の慶安元年以降の山林法令が示される。
⑤『治水殖林本源論』では、宇野円三郎が「熊澤蕃山先生遺訓」として蕃山の思想を抜粋し、「蕃山先生の遺訓を明かにして、兼て世人の注意を惹かんが爲めに、砂防工を施工せし」と述べている。巻末には、明治15年4月に岡山県令にあてた「治水建言」を収録し、冒頭には、小松原英太郎の序文が次のように見える。
治水の要は基本源たる山林の荒廃を復興し
水源を涵養し沿岸土砂の流出を防止するに
あることは熊澤蕃山先生之を二百年前に説き。
宇野君之を二十年前に時の縣令に建言し。
岡山縣は諸縣に率先して砂防工事に着手し
漸々其工事を進めて成績を挙げ。人民の初め
其効果如何を疑ひしものも實際効益の著し
きを見て深く其先見の明に服するに至れり。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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