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アサギマダラとフジバカマ
質問内容
回答内容
①『日本のチョウ 増補改訂版』には、アサギマダラの説明で「ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリなどを好んで訪れる。」と紹介している。
②『蝶が来る庭』のフジバカマの説明で、「匂いもよく、アゲハチョウ類にはあまり好まれませんが、アサギマダラやタテハチョウの仲間はこの花が大好きです。」とあり、フジバカマにとまるアサギマダラの写真もある。
③『蝶のプロファイリング』には、「とくにフジバカマの成分であるクマリンに惹き付けられるようです。」とあり、「渡りの観察地ではこのフジバカマが植えられていることが多く、何十頭と集まってきます。フジバカマのないところではヒヨドリバナ、アザミ、センダングサなどで吸蜜しています。」と解説がある。
④『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』の中で、「アサギマダラはグルメです。好きな花が決まっており、好みのランキングもほぼ決まっています。(中略)ランキングのトップに来るのは、ヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナ、ヤマヒヨドリバナ、フジバカマなどのキク科ヒヨドリバナ属の植物です。(中略)フジバカマは秋の七草として知られており、独特の芳香があります。」と書かれている。
また、アサギマダラが集まる花には毒性を持つピロリジジンアルカロイドと呼ばれる物質(PA物質)が多く含まれ、「アサギマダラの場合、このPA物質は、雄が成熟するのに必要とされます。というのは、雄が雌を惹きつけるフェロモンはこの物質から作られるのです。」とあり、そのため、花に群れているのはほとんどが雄で、雌は雄とは別の好みで動くと説明がある。さらにアサギマダラは匂いに敏感で、花が咲く前にPA物質を含んだ植物を探し出せるともある。
⑤『アサギマダラ海を渡る蝶の謎』でも、「アサギマダラが属するマダラチョウ科は、『毒蝶』として知られています。(中略)その毒とは、オスの性フェロモンの材料でもあるピロリジジンアルカロイド(PA)です。そのため、アサギマダラはPAを含むヨツバヒヨドリなどの花や、ハナイバナの枯れ草、モンパノキの枯れ枝などを訪れ、ミツや汁を熱心に吸いとります。」と説明がある。キク科であるヒヨドリバナとアザミの仲間が好きで、栽培されたフジバカマにも多く集まると書かれている。
⑥「アサギマダラはどのようにしてアルカロイドを探り当てるのか」には、アサギマダラがピロリジジンアルカロイド類(PA)を好んで摂取することについて触れ、PAの感知に作用するのが、「一つの成分として、ヒヨドリバナ類(フジバカマを含む)にしばしば含まれる、クマリンという香気成分が誘引に関与している可能性は高い。」と詳しく述べている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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