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電通社員の過労自殺
質問内容
回答内容
①『過労死ゼロの社会を』および②『過労死・ハラスメントのない社会を』(②は①の改題新装版)は亡くなった女性社員の母親とその代理人弁護士がまとめたもので、事件の経緯などが詳しく解説されている。この中で、「遺族と私ども代理人も、訴訟の提訴の可能性を検討していたが(中略)民事訴訟による決着ではなく、合意書締結の道を選ぶこととした」とあり、裁判は行っていないようだった。ただし、刑事事件としては、電通の労働基準法違反(違法残業)により東京簡易裁判所で公判が行われたとして、著者である代理人弁護士がまとめた「電通刑事事件判決要旨」が記載されている。
③『企業不祥事事典2』では、「CASE093 電通、過労自殺に労災認定」として、「事件の背景」「事件の発端」「事件の経過・その後」が紹介され、「10月6日、東京簡易裁判所は同社に対し、労働基準法に違反したとして罰金50万円の有罪判決を下す」などと記載されている。
①②③で述べられる東京簡易裁判所の判決について、法情報総合データベース「D1-Law.com判例体系」で裁判所名・裁判年月日から検索すると、1件のヒットがあり、④「労働基準法違反被告事件」(平成29年10月6日東京簡易裁判所刑事第1室判決 平成29年(ろ)614号)が確認できた。この判例は、上記①②に記載されている「電通刑事事件判決要旨」と同様の内容ではあるが、企業名は「株式会社Y」とされる等、明示されていない情報もある。
⑤『過労死』では、序 の「過労裁判の事例」の「(2)高橋まつりさんの過労死と会社の謝罪」において事件の主な経過が記されるとともに、「第一部 過労死と過労自殺の事例」の「2 遺族は語る」において、「4 大手広告代理店 電通 新入社員 高橋まつり事件」と題して掲載されている母親の手記の中でも経緯が記されている。
⑥『電通事件』は、2015年12月に電通の新入社員が自殺した事件について書かれたもので、事件の経緯や電通の対応などについて詳しく述べられている。
労働判例としても調査したが、該当事件の記述が見つからなかった。例えば、⑦『最新重要判例200労働法』には、「122 過労自殺と安全配慮義務―電通事件 最2小判平成12年3月24日〔平成10年(オ)217号・218号〕」の記載があるが、2016年の女性社員の過労自殺の事件とは異なっている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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