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くるみ割り人形の主役の名前と演出の違い
質問内容
回答内容
①『バレエ・キャラクター事典』には「チャイコフスキーの3大バレエをマスターしよう!」の項があり、「くるみ割り人形」の中に「主人公の名前が、バレエ団によってちがいます。ドイツの作家ホフマンが書いた原作ではマリーという名でしたが、クララのときもあれば、マーシャと呼ばれるときもあります」という記述がある。その理由として、「これは『くるみ割り人形』が1892年に誕生して以来、何度も作り直されてきたため。主人公の名前だけを例にとっても、プティパとイワーノフの振付でバレエになったときはクララになり、もっとあとに作り直されたときにはマーシャというロシア風の名前になりました」と説明されている。また、演出のバージョンについて「子どもが主役を演じるものの代表がイワーノフ版、高度な技術を身につけた女性ダンサーがグラン・パ・ド・ドゥまで通して踊るものの代表がワイノーネン版」と紹介されている。
②『チャイコフスキー〜三大バレエ〜』には「第3幕くるみ割り人形」の項があり、「作品の成立」の中に「≪くるみ割り人形≫は、フセヴォロジスキーからの提案によるもので、ドイツの幻想怪奇作家のE・T・A・ホフマンの≪くるみ割り人形とねずみの王様≫をアレクサンドル・デュマ・ペールがフランス語に翻案した≪くるみ割り人形の物語≫を原作としたものであった。台本はプティパが書き、ホフマン原作の主人公マリーはクララとなり、シュタールバウムはジルベルハウスとなった」という記述がある。また「≪くるみ割り人形≫上演史」の中で、演出の違いについて国ごとにまとめられているほか、「主要上演データ」として、初演年月日やバレエ団、振付、主演などの情報が表として掲載されている。
③『華麗なるバレエ10 チャイコフスキーくるみ割り人形』には「原作とさまざまな改訂版について」という項があり、主人公の名前の変化についての解説がある。また、演出の違いについても述べられており、イワーノフ版にはじまり、その変遷について時系列順にまとめられている。
④『バレエ語辞典』には、「クララ」の項があり、『くるみ割り人形』の主人公としての説明に加え、「ちなみに、バージョンによって、クララはマーシャ、またはマリーという名のこともあります」と記述されている。また、「くるみ割人形」の項では、「クリスマス・イブの夜を舞台にした物語で、作家・ホフマンの原作をもとにしている。さまざまな演出があり、設定や主人公の名前、物語の展開が異なるが、以下は一般的な物語を紹介する」として、「その家の娘・クララ(マーシャ、またはマリー)」と言及している。演出の違いについて、「主に、1幕のクララは子ども(大人のことも)が演じて途中で大人のダンサーと入れ替わる場合と、全幕を通して大人のダンサーが踊る場合とがあり、物語が微妙に変わります」と述べ、それぞれの違いのほか、ヌレエフ版やベジャール版、ノイマイヤー版、マーフィー版について簡単に紹介している。
⑤『くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ女王』の解説に、「バレエでは主人公の少女の名前はマリーからクララに変えられている。クララは原作ではマリーがプレゼントにもらう新しい人形の名前である」という記述がある。
⑥『DANCE MAGAZINE』2024年1月号に「『くるみ割り人形』ヴァージョン紹介」という記事が掲載されており、ライト版をはじめ、バランシン版やグリゴローヴィチ版などが紹介されている。なお、主人公の名前についての言及はない。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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