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実験動物としてのブタ
質問内容
回答内容
①『ブタの科学』の中で、医学研究のための実験動物としてのブタの利用が進められている理由として「ブタとヒトの間での生理学的、ゲノム的、各種臓器のサイズの類似性があげられる。これまでは伝統的にマウス、イヌを使った動物実験モデルが医学研究のために組まれてきたが、ブタのような大きな哺乳類を使ったモデルがヒトの多くの病気、外科的調査、解剖学、生理学的研究、臓器移植のためには必要である。ブタは、家畜化されて以来、人間の目的により肉生産、繁殖、耐病性、代謝などさまざまな能力をもつように選抜されてきているので、ヒトの肥満、女性に特異的な疾病、循環器病、伝染病、栄養学的研究(ブタは雑食性なので)など、さまざまな研究テーマのモデルとして使うことが可能である。」と記述されている。
②『ブタの動物学 第2版』の中では、ブタが実験動物として使われる理由として「ブタはヒトと同じく雑食性の単胃動物であること」が挙げられている。また「近年は動物愛護あるいは動物福祉といった観点から、本来はコンパニオンアニマルとしてヒトとかかわってきたイヌを実験動物として用いることへの抵抗感が強くなり、ほとんどの自治体が捕獲犬の払い下げを原則的に行わなくなっている。そこで、ブタがその代わりを務めるようになってきた。ブタは、もともと肉用すなわち屠殺して食べることを前提として改良され飼育されてきたので、実験に用いて傷つけられたり命を絶たれたりすることに対しての抵抗感がイヌに比べて小さい。また、1年に2回強、頭数にして20頭前後の子ブタを生産することができ、成長も早いので、比較的安価に供給できる。さらには、肉用としてではあるが、品種ごとあるいは系統ごとに斉一化され、同腹から多くの個体が生まれるので、これを用いた実験の精度という点においても優れている。このようにブタは実験動物として多くの有用な資質を備えているのである。」と記載されている。
③『トン考』では、早くから欧米でブタが実験動物としての有用性が認められ、実験用の小型ブタ(ミニブタ)の開発が進められてきた理由として、「ブタの体内の各部分がヒトのそれに類似している事」が挙げられている。
④『実験動物の技術と応用 実践編』の中で、ブタは「①昼行性である②解剖学的所見が多くの点でヒトに類似している③体重あたりの臓器の大きさや重量がヒトに似ている④食性がヒトに似ている」という特徴から実験動物として使われていると記述されている。
⑤『現代実験動物学』の中では、ブタの実験動物としての特性が詳細に列挙されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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