デジタル岡山大百科 | 岡山県立図書館

レファレンスデータベース > 血圧測定の歴史

血圧測定の歴史

質問内容

血圧測定の歴史を知りたい。

回答内容

①『「センサ、マジわからん」と思ったときに読む本』の中で、血圧測定の歴史が「1896年、イタリアの医師であったピオーネ・リヴァロッチは、ゴムの球を使って加圧する腕帯(カフ)と水銀柱式の圧力計を備えた血圧計を考案しました。ゴムの球を握って上腕に巻いたカフの圧力を上げていくと、ある瞬間から脈拍が消失します。この瞬間の血圧が最高血圧で、手首の触診で脈拍を確認しながら、脈拍が消失する瞬間の血圧を水銀柱で測定していました。当時は最高血圧しか測定できませんでしたが、その原理は血圧計の原型となるものでした。1905年、ロシアの軍医であった、ニコライ・コロトコフは上腕の動脈を、空気をいっぱいに入れたカフで圧迫し、減圧したときに血液が流れだす血管の音を聴診器で聴き取りながら血圧を測定する方法を発見しました。この血液が流れだす『トントン』という音を発見者の名前にちなんでコロトコフ音といい、この測定方法をコロトコフ音法といいます。コロトコフ音が聞こえ始めたときの血圧が『最高血圧』、消えたときの血圧が『最低血圧』となります。ちなみに、リヴァロッチが考案した血圧計は最高血圧しか測定することができませんでしたが、コロトコフ音法によって、初めて最高血圧と最低血圧が測定できるようになりました。」と記載されている。
 また、血圧を測定する2つの方法(コロトコフ音法とオシロメトリック法)についての記述もある。

②『医療機器の歴史』では、「観血式血圧測定」と「非観血式血圧計」の項目の中で、血圧測定の歴史が記載されている。
 「観血式血圧測定」の項目では、1733年にヘールズという牧師が、ガラス管を使ってウマの血圧を測定したのが、世界最初の血圧測定であることが紹介されている。
 また、1856年には、フランス人のフェーブルが実際に人間の血圧を直接的に測定したが、「この時の実験は、日常的には使えない方法であったらしい。」ということが記載されている。
 さらに、「その後1950年前後になると心臓手術も行われるようになったことから、観血法(直接法)による血圧測定の要求も出てきた。最初にストレンゲージを使って直接法で血圧測定を行ったのはランバート(E.H.Lambert)らで、1947年の記録がある。」と記載されている。
 「非観血式血圧計」の項目では、1896年にイタリアの医師リヴァロッチが水銀血圧計を創始したこと、ロシアのコロトコフがコロトコフ音を発見したこと、振動法の普及や、1970年代中期からアメリカで振動法を自動血圧計に適用しようという試み始まったことが記載されている。

下記のとおり、血圧測定の歴史の年表も掲載されている。
「1733年 イギリスのヘールズがウマの血圧を測定。
 1896年 イタリアのリヴァロッチが水銀血圧計を創始。
 1905年 ロシアのコロトコフがコロトコフ音を発見。
 1979年 アメリカのクリティコン社が振動法による自動血圧計を開発。
 1985年 臨床用観血式血圧計のJIS規格T1116制定。
 1987年 非観血式電子血圧計のJIS規格T1115制定。」

③『からだを測る』にも、血圧測定の歴史についての記載がある。特に、世界最初にヘールズが血圧を測定したことについては、詳細な記述とイラストで解説されている。

④『いのちを救う先端技術』にも、血圧測定の歴史について、②と同様のことが記載されている。

⑤『血圧測定の父 ニコライ・コロトコフ』にも、血圧測定の歴史が記載されている。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

カテゴリ情報

カテゴリ情報レファレンスデータベースレファレンス事例データ岡山県立図書館

メタデータ

レファレンス事例
タイトル
レファレンス事例
タイトル

血圧測定の歴史

(ケツアツソクテイノレキシ)

回答した図書館または団体
回答した図書館
または団体

岡山県立図書館

(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①戸辺義人『「センサ、マジわからん」と思ったときに読む本』 オーム社,2024,158p. 参照はp.10-13.
②久保田博南『医療機器の歴史』 真興交易(株)医書出版部,2003,188p. 参照はp.25-27,38-43.
③澤野井幸哉『からだを測る』 電気学会,2020,137p. 参照はp.28-44.
④久保田博南『いのちを救う先端技術』 PHP研究所,2008,219p. 参照はp.67-81.
⑤藤倉一郎『血圧測定の父-ニコライ・コロトコフ』 近代文藝社,2013,114p. 参照はp.7-24.

NDC分類
NDC分類

492:臨床医学.診断・治療

その他のメタデータを表示
このページのURL
このページのURL

http://digioka.libnet.pref.okayama.jp/detail-jp/id/ref/M2024102409581044050