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村上春樹の飼い猫

質問内容

村上春樹が猫を飼っていたことがわかる資料があるか。また、村上春樹の飼い猫とのエピソードがわかる資料はないか。

回答内容

①『うずまき猫のみつけかた』には「コウタローの行方、子猫サーシャの数奇な運命、またまたボストン・マラソン」という項があり、「とくに僕はこの八年ばかり、居をひとつに定めることなくほとんど放浪同然の海外生活を送っているので、ゆっくり落ち着いて自前の猫を飼うことができず」とあるが、「それまで日本で飼っていた自前の猫は講談社の徳島さんの家に、原稿を書くのと引きかえにほとんどむりやりに放り込んできてしまった。(中略)これはとても頭のいい雌のシャム猫で、僕がこれまで飼った猫の中では最高の『当たり猫』だった。」と記述している。また、「猫のピーターのこと、地震のこと、時は休みなく流れる」という項には、「僕は学生時代、三鷹のアパートに住んでいたときに、一匹の雄の子猫を拾った。(中略)けっこう性格のきつい猫だったが、僕とすっかり意気投合して、それから長いあいだ二人で一緒に暮らすことになった。(中略)『そうか、じゃあ、この猫はとりあえずピーターという名前にしよう』と思ったのである。」とあり、大学生時代に飼っていた「ピーター」とどのように出会い、暮らしたかがわかるエピソードの記述がある。

②『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』には「長寿猫の秘密」という項があり、「猫が好きで、生まれてからこれまでにずいぶんたくさんの猫を飼ったけれど、二十年以上生きた猫となるとたった一匹しかいない。」、「この猫の名前は『ミューズ』という。」というように、長寿の猫の「ミューズ」と暮らしたエピソードの記述がある。また、「長寿猫の秘密・出産編」という項があり、雌のシャム猫の「ミューズ」が出産したときのエピソードが掲載されている。他にも、「長寿猫の秘密・寝言編」という項で、「ミューズ」について「(前略)これは本当に謎に満ちた猫だった。僕がこれまで飼った猫たちの中では、もっともエピソードの多い猫である。たとえばこの猫は寝ているときに、よく寝言を言った。」とあり、その寝言に関するエピソードが掲載されている。また、「ミューズ」が催眠術のような「奇妙な声」で鳥を引き寄せるエピソードが挿絵つきで掲載されている。最後に、「あとがき」に「ミューズ」が亡くなったことと「ミューズ」に関するエピソードが記述されている。

③『猫を棄てる』において、「我々が夙川(兵庫県西宮市)の家に住んでいる頃、海辺に一匹の猫を棄てにいったことがある。(中略)僕はまだ小学校の低学年だったと思う。(中略)そして結局それからもその猫を飼い続けることになった。」「うちにはいつも猫がいた。僕らはそれらの猫たちとうまく、仲良く暮らしていたと思う。」とし、幼少期の自身と飼い猫とのエピソードが記述されている。他にも、「もうひとつ子ども時代の、猫にまつわる思い出がある。(中略)我々は白い小さな子猫を飼っていた」として、その白い子猫とのエピソードが書かれている。

④『村上朝日堂』には「あたり猫とスカ猫」という項があり、「この猫は八歳になるシャム猫で、『あたり』の猫である。」と書かれており、資料①の「あたり」の猫を飼うようになった経緯などのエピソードが記述されている。また、「文京区千石と猫のピーター」という項に資料①の猫の「ピーター」とのエピソードの記述もある。

⑤村上春樹と読者のホームページ上のやりとりを掲載した『少年カフカ』のpage 46-47の「Mail no.32」の読者からの「賢いミミさんは昔春樹さんのお宅にいたシャムさんがモデルですか?」という質問に対し、「▼Reply to 032」で「うちのシャム猫は僕と一緒に外を散歩するのが好きでした。犬みたいだった。」と答えている。
他にも、page 224-225の「▼Reply to594」で「うちの猫は『超動物嫌い』の安西水丸さんが来ると、いつも『水丸いぢめ』をしていました。」と語っている。
また、page 254-255の「Mail no.675」の「猫の名前はどうやって決めてらっしゃるんですか?」という質問に対し、「▼Reply to 675」で「僕は昔『とんび』とか『きりん』とか『ころっけ』とかいう名前の猫を飼っていました。」と答えている。

⑥『サラダ好きのライオン』には「猫に名前をつけるのは」という項があり、「そのときビールを飲んでいれば『きりん』とつけるし、白くてほっそりした猫はかもめに似ていたから『かもめ』とつけた。」というように飼い猫の名付けに関する記述がある。また、資料①の大学時代に飼っていた猫の「ピーター」とのエピソードも書かれている。

⑦『文豪の猫』には「村上春樹」の項があり、猫を抱いた村上春樹の写真とともに、飼い猫とのエピソードを書いたエッセイや猫が登場する小説など、村上作品が多数紹介されており、村上春樹と猫に関するエピソードが記述されている。また、「きりん、ブッチ、サンダンス(後略)」のようにそれまで飼っていた猫の名前の記述がある。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

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村上春樹の飼い猫

(ムラカミハルキノカイネコ)

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岡山県立図書館

(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
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①村上春樹『うずまき猫のみつけかた』 新潮社,1996,237p. 参照はp.178-179,220-229
②村上春樹 安西水丸『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』 朝日新聞社,1997,332p. 参照はp.92-96,137-146,332.
③村上春樹『猫を棄てる』 文藝春秋,2020,101p. 参照はp.10-14,91-97.
④村上春樹『村上朝日堂』 新潮社,324p. 参照はp.72-74,114-116.
⑤村上春樹『少年カフカ』 新潮社,2003,495p. 参照はp.46,224,254.
⑥村上春樹『サラダ好きのライオン』 マガジンハウス,2012,217p. 参照はp.162-165.
⑦アリソン・ナスタシ『文豪の猫』 エクスナレッジ,2018,111p. 参照はp.50-51.

NDC分類
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902:文学史.文学思想史

913:小説.物語

914:評論.エッセイ.随筆

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