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アナウンスメント効果
質問内容
回答内容
①オンラインデータベースJapan knowledge Lib(契約データベース)の『日本大百科全書』には「アナウンスメント効果」の項目があり、「日本ではおもに選挙前に、世論調査や当落予測などをマスメディアが報道することによって、有権者の投票行動や候補者陣営の士気などに影響を与えることをさす。」と記されている。また、「事前予測で優勢を伝えられた政党や候補者に多くの票が集まる傾向」を「バンドワゴン効果bandwagon effect」といい、逆に「苦戦や敗色濃厚を伝えられると、候補者に同情や劣勢挽回のための票が集まる」効果を「アンダードッグ効果underdog effect」というと記されている。さらに、もともと金融、経済用語として用いられていたことに触れ、「このことばが選挙行動への影響を表すものとして日本で初めて使われたのは、1979年(昭和54)に行われた衆議院議員総選挙においてで(中略)これ以降、選挙行動を表すことばとして定着した。」と記されている。
②『政治学・行政学の基礎知識』の「第10章 投票行動」には「アナウンスメント効果」の項があり、「アナウンスメント効果とは、投票の前に候補者当落や政党の議席動向などについて予測が報じられることで、実際の投票行動に変化をもたらすことをいう。」と記されている。「バンドワゴン効果(「勝ち馬」効果)」や「アンダードッグ効果」についても触れられているが、「アンダードッグ効果」については、「同情をひいて票を伸ばす場合」と「入れても無駄になるから入れないということで、減る場合」の両方があるとして、前者を「『判官贔屓』効果」といい、後者を「『負け犬』効果」と呼び分けられるとしている。ただし、「この二つについては、現状では十分に解明されているとは、言い難い。」と記されている。さらに、「近年、アナウンスメント効果は、マスコミ、インターネットにおける各種情報操作、フェイクニュースとともに指摘されることも多くなってきた。」としている。
③『シリーズ日本の政治 10』では、「第2章 マスメディアと世論」の中でアナウンスメント効果について触れており、「選挙情勢調査報道が人びとの投票行動に与える影響、所謂アナウンスメント効果(announcement effect)」には、有利と報じられた政党や候補に票が集中するバンドワゴン効果と、不利と報じられた側に票が回るアンダードッグ効果があるとされる。」と記されている。また、「日本についても、(中略)研究が積み重ねられてきたが、実証結果は様々であり、通説は確立されていない。」として、著者による新しい調査結果が紹介されている。
④『まるわかり政治語事典』では「選挙に関する政治語」の項があり、「アナウンスメント効果」の項目がある。そこでは「マスコミの選挙の予想報道が有権者の投票行動に影響を与え、実際に選挙結果を左右すること。」と記されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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