かいとうないよう
【奉書焼】焼き物の一つ。魚介類、キノコ類などを奉書紙で包み、天火で焼いた料理。材料は、火の通りやすいように切り、薄塩をあて、奉書紙に包んで天火で蒸し焼きにする。松葉やユズの輪切りをいっしょに包み、香りをつけることもある。奉書紙はぬらしてから用いることもある。すずきのほうしょやき→島根県松江の郷土料理。宍道湖7珍の一つであるスズキを奉書紙に包んで、蒸し焼きにするこの料理は、松江藩主不昧(ふまい)公好みの料理として今に伝わっている。晩秋から初冬にかけて宍道湖の水温がすっかり冷たくなるころ、冬スズキは脂がのり真子をもって旬を迎える。この地方では”腹太スズキ”とも呼んでいる。〈由来〉あるとき漁師たちが冷えた体を温めようと、捕れたばかりの腹太スズキをまるのまま、炉の熱い灰の中へ埋めて蒸し焼きにして食べていたところ、たまたま漁場をお通りになったお殿様が立ち寄られ、あわてた漁師たちは身近にあった和紙2,3枚を水でぬらし、腹太スズキを包み、熱い灰の中へ埋めて蒸し焼きにして差し上げておもてなししたところ、お殿様はおいしいと大変にお喜びになり、それ以来好物として献上されるようになった。〈作り方〉スズキはうろことえらを取り、えらのところから胆のう(苦玉)だけを取り出しておく。全体に塩をふって下味をつけ、そして水でぬらした奉書紙3枚でスズキを包み、尾と頭のところを竹の皮で結び天火に入れて焼く。もみじおろし、さらしネギの薬味に、煮返ししょうゆでいただく。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山市立図書館