かいとうないよう
従来取り組まれている、TQCもISO9001も品質管理の仕組みであり、目指している目的はあまり変わりないと言えます。しかし、TQCは供給者の理論で企業内独自の仕組みであるのに対し、ISO9001は購買者の理論であり、国際規格に基づくものです。また、今回の2000年改訂により、ISO9001は品質マネジメントシステムとして、その他の環境マネジメントシステム、労働安全マネジメントシステムや財務マネジメントシステムの要求事項に合わせたり、統合できるようになっています。このため、ISO9001の認証を取得することで単に企業の社会的信用を高め、顧客からの信頼感を向上させることができるだけでなく、PDCA(Plan-Do-Check-Act)のサイクルをすべてのプロセスに適用することで企業の経営体質が改善され、責任と権限が明確になり、人材育成にも役立つメリットがあります。その他に、作業の手順を明確にし、維持し、記録を残すことで、仕事の手順が公開され、人が変わっても教育が容易にでき、仕事の引継ぎがスムースになるだけでなく、記録が確実に残るためPL問題のリスク低減が図れます。デメリットとしては、今回の2000年版の改訂でかなり文書化の要求が緩和されていますが、大企業の実施例をそのまま真似をすると、企業実態にそぐわない文書類の多い、重たいシステムになることがあります。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山県産業振興財団