かいとうないよう

　上房郡高梁町（現高梁市）出身の書家・歌人。本名は清水秀。1883（明治16）年2月8日～1975（昭和50）年10月24日。高梁中学校、第六高等学校（六高）を経て、1908（明治41）年京都帝国大学法科大学を卒業、司法官として神戸地裁へ勤務。翌年退官し、安田銀行、古河銀行、古河電気工業から同社日光精銅所に勤務を移す。1930（昭和5）年、懇請され日光町長に就任、町政に尽力した。町長を辞してからは歌と書に没頭、また、詩趣に富む画を描いた。1942（昭和17）年、川合玉堂、弟の清水三渓らと「野水会」を組織、晩年には奥村土牛、小倉遊亀らと「有山会」も創立、また歌誌「窓日」を主宰した。1966（昭和41）年歌会始の召人に選ばれ、御題「聲」の一首を詠んだ。1958（昭和33）年には日光市、1971（昭和46）年には高梁市の名誉市民となる。主な画集・歌集に『清水比庵作品集』（朝日新聞社　1978年）、『比庵百華』（「比庵百華」刊行委員会　1988年）、『毎日佳境　清水比庵・窓日彫拓本集』（岩崎芸術社　1997年）、『紅をもて』（求竜堂　1969年）、『水清き』（窓日短歌会　1988年）、『比庵晴れ』（求竜堂　1973年）などがある。

かいとうかん・かいとうだんたい

岡山県立図書館