かいとうないよう
『日中対照言語学研究論文集』(和泉書院)収録論文である「日本語・中国語におけるキャラ語尾の観察」には「~アルヨ」語尾に対する言及なし。 『植民地支配と日本語』(三元社)では、「~アルヨ」の語尾の用例を挙げながら、日本語と満州語「二言語混合の現象」としての「協和語」について説明している。金水敏の『ヴァーチャル日本語役割語の謎』(岩波書店)では「特定のキャラクターと結びついた、特徴ある言葉づかい」を「役割語」と呼び、「アルヨことば」は「貿易港、居留地、プランテーションなどに集まった異なる言語の話者が、コミュニケーションの必要から作り出した混成的な言語」(「ピジン」と呼ばれる)であると指摘している。その中で、古くは1879年に横浜で出版された“Exercises in the Yokohama Dialect”に「~アルヨ」の起源を見出している。また、同氏の論文として『役割語研究の地平』(くろしお出版)および『言外と言内の交流分野』(大学書林)に収められた「役割語としてのピジン日本語の歴史素描」にも関連の内容が見える。さらに『マンガのなかの〈他者〉』では、“Exercises in the Yokohama Dialect”に加え、ピジン日本語の最も古い例として、1886年に雑誌『世界一周』(Le tour du monde)に連載されたエメエ・アンベール(Aime humberr)の“Le Jpon”という記事を紹介している。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山県立図書館