かいとうないよう
「成績」は一定の目標達成度をいいます。つまり、期待目標がどの程度達成されたかが成績考課になります。「業績」は達成度だけではありません。期待成果(アカウンタビリティー)の高さ×達成度(パフォーマンス)の面積であるといえます。高い役割を十分に達成すれば業績は高いといい、低い目標を不十分に達成した場合、業績は低いものとなるのです。能力主義の場合には、成績考課だけでよいのですが、成果主義・業績主義という賃金をとるためには、成績と業績の違いを明確にし、業績評価という考え方をしなければならないでしょう。成果主義賃金を今後整備していこうとすると、この業績評価や役割評価という新しい概念を整備していかねばならないことになります。「成果」という場合には、組織全体がどのような数値成果、布石成果、質的成果を得たかということをいいます。個人の業績、部門の業績を全社的に総合したものを企業の“数値成果”といいます。しかし、企業の成果はこのような数値的な目標の達成度だけではなく、当年度内には結果は出なかったけれども、多くの人材が内部で育った、新しい商品が生まれた、新しい技術が開発された、というような、今後、5年後、10年後に企業に多くの数値成果をもたらすことになる、内部における将来に向けてのエネルギーの創造というものがあります。これが“布石(期待)成果”です。さらに数値成果、期待成果のほかに企業の社会的信頼度が高まったとか、何らかの形で社会的格付けが上がった場合、これを“質的成果”といいます。これらを賃金に結びつける場合、数値成果は成果配分賃金となり、布石成果や質的成果はいわゆる成功報酬や報奨制度などによって行われることになります。成果とともに成果を実現した過程(プロセス)を十分評価することも必要でしょう。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山県産業振興財団