かいとうないよう
この設備投資判断は非常に難しい問題を抱えています。メーカーは設備産業ですからどうしても土地・建物・機械を必要とします。しかも技術の進歩は目覚しく早い、それを追求すればするほど常に最新鋭の機械設備を入れなければならない、これではとてもついていけないとなります、そこで考えなければならない点についてみてみます。まず資産の回転という点で考えれば、償却済みの機械設備をだましだまし使っていくことが効率の点では最高だということです。この場合の問題は時代遅れになる危険です。そして反対に最新鋭の設備を次々導入してフル稼働させることになるのですが、資産が膨れて回転を悪くさせコストが高くなり儲からなくなり、結果としてフル稼動ができないと業績悪化になる危険があります。このように異なる二つの尺度で考えますと、理想は中古の償却の終わった機械を工夫してうまく使うか、逆に最新鋭の機械を入れて償却を早くして常に身軽にしている以外にないことになります。そこで設備投資について一番に考えるべきことはキャッシュフローの範囲内の投資かどうかということです。ここでいうキャッシュフローは単純に税引き後利益と減価償却費を足したものです。特に減価償却費は絶えず予測することが出来ます。その意味からいえば毎年、減価償却費の範囲内で着実な設備投資がやれる、いややる体制構築が大事になります。また借入かリースかについてですが、リースが利用出来る尺度は①資金繰りに問題がないこと②キャッシュフローの考えがシッカリ出来ていること③管理会計がキチッと出来ていることが前提です、特に赤字会社は返済期間の短いリースは絶対に利用すべきではありません。簡単に言えばお金に余裕のある会社はリース調達が得であり、お金に余裕の無い会社は銀行借入が得といえます。支払リース料は経費ですので利益が多ければ利益調整に働きますが利益が少ないと赤字化の元凶にさえなります。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山県産業振興財団