かいとうないよう
まず整理しなければならないのは、「コスト」とは何かということです。「コスト」は大きく分けて、売上に対して変動する「変動費」と売上に左右されない「固定費」の2つになります。「変動費」は製品設計や工程設計でほとんどが決定されるものですが、工程管理や作業者のスキルによっても変わります。また「固定費」は直接、製造に関わらない管理コストです。このように単に「コスト意識」と言ってもどれを指すのかを明確にしなければ効果が出ないでしょう。「売上」から「変動費」を引けば「粗利」が出ますので、「変動費」を意識するということは「粗利」を意識することになります。また、「粗利」から「固定費」を引けば「営業利益」となります。つまり、「コスト意識」を「粗利」「営業利益」を大きくするという「利益意識」として置き換えたらいかがでしょうか?製造従事者は工程の見直し、不良の低減などで「粗利」を上げるための意識を持ち、営業担当者は売上を上げることで「粗利」を上げるための意識を持ち、管理スタッフは「粗利」を上げるためのサポートをするという意識を持つ、というスタイルに変えると良いでしょう。そして目標とする「粗利率」又は「粗利額」を設定し、それぞれの社員がテーマ活動に取組む場合もコストというマイナスを減らす活動ではなく、利益というプラスを増やす活動にしていく方がやりがいも沸いてくると思います。その際に、「粗利」の増加が社員の処遇にも関連することを人事制度の中で約束しておくことは大切なことです。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山県産業振興財団