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岐阜県高山のおみやげ“猿ぼぼ”の由来と作り方
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かいとうないよう
猿ぼぼの由来について
『全国郷土玩具ガイド 2関東東海』(オクターブ 2004刊)に、岐阜県の郷土玩具として猿ぼぼのカラー口絵と解説がある。「縫いぐるみの猿で、1枚の赤い布を四隅から縫い合せ、中に綿をつめてふくらませ、三角形の両手の間に黒、または紺色の布で丸い頭を縫いつけた人形玩具である。この地方では人形のことをボサとか、ボボといって、大きなものはおぶったり抱いたりし、小さいものは四ツ足を一緒にしばり、腰に下げたりした」と、『郷土玩具辞典』からの引用文がある。
『郷土玩具辞典』(東京堂出版 1997刊)を確認すると、更に詳しく解説がある。「高山の猿ぼぼ 岐阜県高山市産。紅色の木綿の布で人間の形を作り、これに綿を詰めた縫いぐるみ人形。幼児の災厄を袚う形代の役をつとめる這子が次第に変化して玩具となったもの。江戸時代から家庭の手作り人形として生まれ、幼女がこれを背負ったり、抱いたりして遊んだ。猿子、お猿さんなどとも呼ばれた。(・・・中略)猿とはその赤い布色から名付けられた。布製の這子は、娘たちが裁縫の手始めにこれを縫う風習が古くからあり、明治期に入ってもそれが行われ、猿も同じように作られた。」とある。
また、「昭和四二年飛騨郷土学会刊の『ふるさとの遊び』(内木あや子)には、この地方では「人形のことをボボとかボボサといった。大きな猿ボボ、まくらボボ、ざぶとんボボは、おぶったり抱いたりするし、他の人形はままごと、人形さんごっこ等で遊ぶ家族であった。猿ぼぼ―小さいものは四つ足を一緒にしばって、紐をつけ腰づけにした。大きいものは人形の代わりに腰紐をさんじゃく(子負帯のこと)にして負っだり抱いたりした」とある。」と名称の由来もわかる。
作り方は次の図書に“猿ぼぼ”“さるっ子”もしくは“おさるっこ”という名称で作り方がある。また、這い子人形の作りかたも同じ資料に掲載があるものが多かった。
『ちりめん細工 伝承の布遊び』(NHK出版 1994刊)には“おさるっこ”。
『四季をつづる和布のかざりもの』(パッチワーク通信社 2011刊)には色柄布で胴を作り、前掛けなどを着せた“さるぼぼ”。
『ちりめん遊び 伝承のお細工物』(マコー社 1992刊)には“さるっ子”と“這子人形”。
『ちりめんのちいさな佳きもの』(日本放送出版協会 2003刊)にはおさるっこの作り方を応用した金太郎と、這い子人形。
同じ著者の『ちりめん布遊び』(マコー社 2004刊)にもおさるっ子人形を基本形にした“鯛釣り童子”、“掻い巻き布団と這い子人形”の作り方がある。
かいとうかん・かいとうだんたい
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