レファレンスデータベース > 葬儀の参列者の装束の名称
葬儀の参列者の装束の名称
しつもんないよう
かいとうないよう
死者や遺族、参列者が額につける三角形の紙や布は、地域によって様々な呼び名がある。名称が明記されているものを以下に記す。
-------------------------------------------
『図説葬儀』p.74で死に装束のうち「天冠」として説明されている。
「白い三角形の晒でできたものが鉢巻についたもので、頭巾、三角巾、かみかくし、紙烏帽子、布帽などと呼ばれているが、地方によっては紙半というところもあり、これを参列者もつける場合がある」。
図はp.73、写真はp.203に掲載されている。
-------------------------------------------
『葬送習俗事典』「14 野辺送り」に冠り物として地域ごとの名称と民俗例が掲載されている(p.95-96)。
・紙冠(シハン)……地域に限定されない名称として掲載されている。
・カンムリ(越後東蒲原郡東川村)……「子や孫は赤、兄弟は黄色、一般会葬者は白にして区別する風もある」(p.95)
・シハン、シハンコ(秋田県鹿角郡)
・四方(シホウ/三河額田郡)
・ゴマシオ(群馬県多野郡)
・宝冠(群馬郡誌による)
・紙烏帽子(カミエボシ/長門豊浦郡の吉見辺り)
・身隠し(ミカクシ/加賀の能美郡)
・髪隠し(カミカクシ/信州下伊那郡神原村)
・額隠し(ヒタイカクシ/佐渡の河原田町在)
・額紙(ヒタイガミ/陸中雫石地方)
・マンジヌノ(飛騨の益田郡)
本書他を参考文献に、より詳細な民俗例や図・写真が『葬と供養』「2 装具‐その宗教的概念 13 被り物」p.488-525に掲載されている。
-------------------------------------------
『日本の葬式』p.100-101でも三角巾に関する解説と地域ごとの民俗例が掲載されている。上記資料に記述がない名称のみを記す。
・シッポウ(愛知県日間賀島)
・サンカク紙(新潟県東頸城郡)
・ツノ帽子(埼玉県川越地方)
・スマボシ(愛媛県北宇和郡)
・首の紙(長野県南佐久郡)
・ヒタイアテ(香川県広島)
-------------------------------------------
『日本の葬送儀礼 起源と民俗』「22 幽霊が三角巾をつけるのはなぜか」(p.190-202)でも、三角巾の名称と解説、地域ごとの民俗例が掲載されている。
かいとうかん・かいとうだんたい
岡山県立図書館
カテゴリじょうほう
![]() | レファレンスデータベース > レファレンス事例データ > 岡山県立図書館 |
---|