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古代の氏姓と職業について

しつもんないよう

大和政権下にあった物部氏、土師氏はともに職能を表す氏姓だと聞いたが本当か。それぞれの氏姓の由来や職能について説明している資料があれば、教えてほしい。

かいとうないよう

『名字の歴史学』には氏族の職能を明示した氏名の例の一つとして、「物部氏」が挙げられていた。「物部氏の「モノノベ」の語源はモノノケ(物ノ化)であり、モノ(武器)を持ってモノノケなどを討つのが一族としての職能」と記載されている。『古代豪族の謎』によると、「モノ」とは本来「物の中に潜む精霊の働きを意味した」とある。

『名字の地図』には、「物部氏」についての記述はないが、「ハニ一族」として「土師氏」についての記述がある。古代、粘土(ハニ)を用いて埴輪や土器などを製作する工人を「ハニシ」といい、やがて「土師」という漢字があてられ、読み方も「はじ」と変化した」との記載がある。
『全国名字大辞典』も「物部氏」についての記述はないが、「土師氏」については同様の記載がある。
『氏と家の古代史』には「朝廷での職掌を直接あらわす」氏の名のとして「土師」が挙げられていた。「土師連の始祖伝承」の記載もある。

『姓氏家系大事典』によると、「物部(もののべ・ものべ)氏」については「軍事、刑罰を司って」いたとの記載がある。また、「土師(はじ)氏」については「土をハニともいうが、このハニでハニワ(埴輪)を造る職人をハニシという。のち、ハシ、ハジと変化した」と記載されている。同様の記述は、『日本名字家系大事典』にもある。
『古代豪族の謎』には、「土師氏」については「埴輪や土器製作と、歴代の天皇の葬礼や古墳の築造などに深く関与した」、「物部氏」については菅田正昭「秘史 物部氏興亡記」に来歴の記載があり、その中に「軍事・警察を掌った」との記載がある。

かいとうかん・かいとうだんたい

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レファレンスじれい
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古代の氏姓と職業について

(コダイノシセイトショクギョウニツイテ)

かいとうしたとしょかんまたはだんたい
かいとうしたとしょかんまたはだんたい

岡山県立図書館

(オカヤマケンリツトショカン)

じょうほうげん(かいとう)
じょうほうげん(かいとう)

奥富敬之『名字の歴史学』 角川書店,2004,189p. 参照はp.13.
森岡浩『名字の地図』 日本実業出版社,2004,160p. 参照はp.92-93.
森岡浩 編『全国名字大辞典』東京堂出版,2011,771p.参照はp.561.
吉川敏子『氏と家の古代史』塙書房,2013,199p.参照はp.9、p.14-16.
森岡浩 編『日本名字家系大事典』東京堂出版,2002,639p. 参照はp.434、p.554
丹羽基二『姓氏家系大事典』新人物往来社,2002,413p.参照はp.294、p.378
『歴史読本』編集部 編『古代豪族の謎』新人物往来社,2010,318p.参照はp.203-240、p.274

NDCぶんるい
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288:系譜.家史.皇室

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