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干支と株式相場格言
しつもんないよう
かいとうないよう
干支にまつわる株式相場格言は、年末年始に新聞や雑誌で紹介されることが多い。
十二支全てをまとめると「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)は辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」。
それぞれ「辰年や巳年では株価が天井をつける傾向があり、午年は下がりやすい。一方、戌年や子年、寅年などが高くなりやすい」とされる(和島英樹「干支と株『丑はつまずき』の波乱」『週刊エコノミスト』第86巻第69号(12月16日号),2008.12,p.38.)。
ほか、「戌亥(いぬい)で仕込み、辰巳(たつみ)で売る」という格言もあり「亥年は例年株価が安いため、ここで買い注文を入れ、株価が天井をつける辰年、巳年で売りを出せば良い」ことを表す(「干支と相場(上)「丑年はつまずき」の格言(5分間投資サロン)」『日本経済新聞』1997.1.7,夕刊,9面)。同内容で次のような表現もある。
・戌亥の借金、辰巳で返せ(田北浩章「『会社四季報』最新情報」『週刊東洋経済』第5998号(1月14日号),2006.1,p.124.)
・戌亥で買って、辰巳で売れば蔵が建つ(「96年ジンクスで占う(上)縁起のいい上昇の年(5分間投資サロン)」『日本経済新聞』1996.1.4,夕刊,9面)
・戌亥買いの辰巳売り(「95年の干支は乙亥(まちかど)」『日本経済新聞』1994.12.31,朝刊,9面)
・戌亥の借金、辰巳で払え(「日経VBC交流会-青山商事社長青山五郎氏、NEC林裕氏。」『日経産業新聞』1993.7.27,30面)
格言の由来について、前出の和島による記事は「東京・兜町には古くから十二支にまつわる相場格言がある」と述べるにとどまっている。
なお、『十二支(えと)のことわざ事典』p.115「辰巳天井」の項目では「大阪の米相場師の間で、「辰巳天井」といって辰の日と巳の日には相場が高騰すると伝えられた」と説明されている。
同じ意味の「辰巳アガリ」、「辰巳上り」という格言が『日本証券史資料 戦前編第9巻』に収録された複数の図書に掲載されており、同書収録の『株と米の相場必勝辞典』p.403では「辰巳は『立つ身』に通じ、立身出世をするといふのに因み、これを相場にも応用して、辰巳の日には相場が上騰すると言ひ伝へられてゐる」と解説している。
・明治41年……栗原神通 (義秀)『相場格言集 相場師之六韜三略』(『日本証券史資料 戦前編第9巻』p.148/用語のみ)
・明治43年……二村喜十郎『相場の金言(相場師ノ虎ノ巻)』(『日本証券史資料 戦前編第9巻』p.156/用語のみ)
・大正6年……大蔵省主税局 編『取引所用語字彙』(『日本証券史資料 戦前編第9巻』p.231/解説あり)
・大正14年……文雅堂編集部 編『株式期米生糸市場用語字彙』(『日本証券史資料 戦前編第9巻』p.299/解説あり)
・昭和4年……黒田鉄三 ほか著『株と米の相場必勝辞典』(『日本証券史資料 戦前編第9巻』p.403/解説あり)
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