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「物言う魚」の原典
しつもんないよう
立石憲利『岡山の伝説』(日本文教出版)では、「物言う魚」の民話の舞台として次の淵を紹介しているが、それぞれのいわれの典拠文献(原典)があれば知りたい。
「徳善淵」(久米郡柵原町久木)
「道善淵」(勝田郡勝田町余野)
「三休淵」(勝田郡勝田町)
かいとうないよう
・「徳善淵」について『作陽誌 上巻』(資料①)の「藤原村」の項に次のとおり記述がある。
「藤原村 此の村に舟渡有り。又徳善淵有り。往年山上村民釣を垂れて鮧魚の甚だ大なるを得之を巨簀に盛り負担して皈り登尾にす。淵中物有り。大いに呼びて徳善に曰く。声小児の如し。鮧魚乍ち飛躍して淵に投じ溌溌として去る。此れより徳善淵と名づく。登尾は会名。同村に在り。」
・「三休淵」について『作陽誌 下巻』(資料②)の「小吉野荘 河原村之記」に次のとおり記述がある。
「梶並川筋堂の口と云ふ處に淵あり相傳ふ大鯰住りと一日某三休と云ふ者彼大鯰を釣獲たり丈六尺許手に携ふこと能はず漸にして背に負ひ家に歸らんとす途中にして大鯰忽然と物言て曰我は三休の方へ背を炙りに行なりと三休聞て大に驚き振ひ戦て彼淵に戻り鯰を放ち捨ると云ふ今埋れて田となる猶近き世まて大鯰住りとぞ」
・「道善淵」について『作陽誌 下巻』(資料③)の「小吉野庄 余野村之記」に次の記述がある。
「大鯰 享保年中道善と云者大鯰を釣得て手に携ること不叶脊に負て歸る尾猶地を摺るといへり途中聲を發して道善々々と呼道善大に恐懼戦慄して邊りの井に是を投す近年まて在しを故有て彼井を埋巨石を以て潰墮す 河原村三休淵と同日の談なり可併見」
かいとうかん・かいとうだんたい
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