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『西遊記』絵本の三蔵法師の描かれ方
しつもんないよう
かいとうないよう
まず「西遊記」をキーワードに、絵本として分類された当館所蔵資料を確認したところ、
①『絵本西遊記』太田大八/画 童心社、②『西遊記』于大武/絵 偕成社、③『西遊記』大野豊/画家 サンスポ開発、があった。
①は日本人画家によるもので、あとがきに画集『中国民間木刻版画』を参考に制作したとある。p.14-15「三蔵法師」の頁に、西天へ経を取りにいく者をさがしていた唐の太宗が、玄奘法師という僧に、<三蔵>という号をあたえたとして、白馬に乗った僧が描かれている。
②は中国人画家によるもので、制作について、敦煌石窟など古代芸術作品や壁画を見てまわり制作したとある。「三蔵法師というおぼうさん」として白馬に乗っている。
③は英文併記のアニメ絵本で、女性的だが三蔵法師の旅のお供をする場面で「Songoku to accompany him.」とある。
いずれも白馬に乗り男性の僧として描かれている。
次に「そんごくう」のうち、三蔵法師が描かれているものは、
④『そんごくう』于大武/絵 講談社、⑤『そんごくう』山谷素子/画 永岡書店、⑥『そんごくう』和歌山静子/絵 フレーベル館、があった。
④は②と同じ画家で同様な絵。⑤はアニメ絵本で③と似ており、女性的だが性別は確認できない。⑥はおはなしめいろのほんで、性別は不明。
西遊記絵本について考察した⑦に、1930年から2000年までに日本で出版された西遊記絵本60冊の目録があり表紙等の図版が掲載されている。三蔵法師もいくつか載っているいるが、論文中には性別についての記載はない。
そのほか児童書として分類されたものの挿絵を確認したが、性別が識別しにくい絵も文章中で男性とわかるか、不明のものが多く、明確に女性といえるものは確認できなかった。
かいとうかん・かいとうだんたい
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