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児童虐待の通告義務と通告の方法
しつもんないよう
かいとうないよう
①『児童福祉法・児童虐待防止法』によると、児童福祉法第25条1項と児童虐待防止法第6条1項により通告義務が定められている。児童福祉法第25条1項は「要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。」と規定しており、その解説として、通告義務を負うのは全ての国民であり、個人だけでなく、学校、病院などの関係施設も含まれることが書かれている。児童虐待防止法第6条1項は「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。」と規定しており、その解説として、「児童虐待であるとの確信度がそれほど高くなく、(中略)「児童虐待を受けたと思われる」場合」にも義務が課せられることが記述されている。また、通告の方式について、「法律上、特に定められておらず、来所、電話、文書等どのような方法でもよい。」と書かれている。
②『DV・児童虐待事件処理マニュアル』では、第2編の「第3章 通告と受理」に、通告についてまとめられている。通告義務については、「全ての国民一人一人に対し、虐待の疑い段階から広く課されている法律上の義務である」と述べられている。通告方法については、一般的には電話が多いが特に決まりはなく、匿名でも可能であることが記述されている。通告先は「法律上、市区町村、福祉事務所、児童相談所が挙げられて」いるが、「実際に通告先として機能しているのは、児童相談所及び市区町村の児童福祉担当部署(子ども家庭支援センター等)という自治体が多く」なっており、また「緊急性の高い重大な虐待の疑いがある場合には、一時保護を念頭に児童相談所に対して通告を行うべき」と書かれている。さらに「児童相談所虐待対応のための全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」」も紹介されている。
③『保育現場の子ども虐待対応マニュアル』では、「第4章 発見・通告のタイミングと手順」にて、保育所等での虐待発見から通告、通告後の対応の流れについて書かれている。「3 虐待のリスクの見極めと通告先」では、虐待の程度や重症度、深刻度により対応方法や通告先が分かれることが図で示されている。また、「4 通告先の検討と通告」では、保育所等が通告する場合の流れを図で示しており、通告先については、「虐待がローリスク、ハイリスク、中~軽度虐待」の場合は市区町村へ、「中~軽度虐待、重度虐待、最重度虐待」の場合は児童相談所への通告が目安になると書かれている。
④『子どもの虐待防止・法的実務マニュアル』では、第3章の「1 発見・通告」にて、児童虐待の発見から通告についてまとめられている。通告の方式については、法律上、「規定はなく、匿名でもよい。ただし、学校や保健所、医療機関などから児童相談所に通告する場合は、通告者を明らかにしたうえで、一定の書式によって通告すること」が望ましいと記載されている。通告先には「市町村、都道府県(政令指定都市・中核市等)の設置した福祉事務所、児童相談所」、「189(いちはやく)」が挙げられているが、「日頃、児童虐待に接する機会のある関係機関・関係者」は、原則として「189」ではなく、「管轄児童相談所ないし市町村等に通告することが望ましい。」と書かれている。
⑤『保育者・教師に役立つ子ども虐待対応実践ガイド』では、第2章の「Ⅲ 通告」に、通告のタイミングや、通告の方法、対応のポイントについてまとめられている。「2 通告の方法・ポイント」では、通告先として児童相談所と市区町村の相談窓口が挙げられており、市町村と児童相談所の対応の役割分担が図表で示されている。また、通告した場合に確認される内容についても紹介している。
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