妙本寺(ミョウホンジ)
所在地 岡山県加賀郡吉備中央町北1501
妙本寺本堂
- 妙本寺本堂(撮影:平成14年4月) −
寺社の説明 名称:正式には、「具足山妙本寺」という。
宗派:日蓮宗
本尊:久遠実成の本師釈迦牟尼仏
建立:建治元(1275)年 伊達弾正朝義〔だてだんじょうともよし〕
開基:弘安4(1281)年  日像〔にちぞう〕上人
※建立・開基については、寺伝・縁起等による              
起源等


説明看板:撮影平成19年1月
説明看板

山門:平成19年1月撮影
山門
寺伝によれば、当時日蓮宗は仏教界、幕府などから弾圧を受けていた。伊達弾正朝義は「龍の口の法難」に役人として居合わせ、奇跡を目の当たりにして日蓮上人に深く帰依したという。
その後、伊達公は文永11(1288)年、鎌倉幕府から野山(大和村誌によれば、「野山」とは、江戸時代以降では、吉備中央町大和地区〈北、西、宮地、岨谷〉のことをいうが、鎌倉時代はより広域であったとのこと)の地頭を命ぜられ、弘安年中に赴任し、まもなく小さな寺を建立した。この寺を日蓮上人自らが「具足山妙本寺」と命名し、日像上人を開基とした。こうして、日蓮宗西国の拠点、妙本寺が開かれたという。
伊達公五輪塔:妙本寺パンフレットより
伊達公
五輪塔
永仁2(1294)年、日像上人は京都に赴き、布教を開始し、その際、妙本寺からさまざまな援助がなされたと伝えられている。
さらに正和の時代(1312年頃)になり、京都から手の引けない日像上人の代理として入山した京都妙顕寺2世の大覚大僧正は、妙本寺を拠点として三備(備前・備中・備後)・美作の各地はもとより、西国に布教を広げ、備前法華といわれる基礎を築いた。
これらの背景から「西身延」と呼ばれるようになった。
西身延石標:撮影平成19年1月
西身延
とある
石標
妙本寺の文化財
・妙本寺本堂
 ※写真は、上部参照
県重要文化財:昭和31(1956)年指定
寺伝によると、建治元(1275)年の建立といわれる。
その後幾度か改修したとみられるが、現在でも、室町時代の建築様式をよく残している。
・妙本寺番神堂
妙本寺番神堂
国重要文化財:昭和2(1927)年指定

 説明と写真は、こちら
・出土壷37個
 (妙本寺墳墓遺跡)
備前焼出土壺:妙本寺パンフレットより           
県重要文化財:昭和32(1957)年指定
昭和29(1954)年、境内の古い墓地を整地中、備前焼36点と瀬戸焼1点の蔵骨器37点が出土した。大きさは、高さ10cmから30cmのものまでと多様である。
器形やあわせて見つかった五輪塔などから、鎌倉後期ないし室町時代のものと判明した。
・妙本寺全域 史跡として吉備中央町の重要文化財に指定
・五輪塔群
五輪塔群:妙本寺パンフレットより
(文化財指定なし)
番神堂の裏に数十器の五輪塔。
室町、桃山時代が主で鎌倉時代と推定されるものも含まれている。
材質は、主に白大理石で、花崗岩のものもある。
年中行事
 ※妙本寺発行
  パンフレットより
3月彼岸中日 彼岸施餓鬼法要
4月12日 日蓮聖人報恩御会式(妙本講)
7月 1日 三十番神大祭
7月15日 三笠園大祭(うどん祭り)
8月16日 お盆施餓鬼法要
9月12日 秋の妙本講(万燈行列)
12日13日 お講
毎月1日 和光会、唱題行
毎月13日 御回向供養会
4月13日より
6月30日まで
千部経
参考文献
 『大和村誌』
   堀口 正志著,1975,526p
 『岡山県大百科事典−下』
   岡山県大百科事典編集委員会 企画編集,山陽新聞社,1980,1462p
 『賀陽町史』
   賀陽町教育委員会 編,賀陽町,1972,981p 図 地図
 『妙本寺パンフレット』
制作:岡山県立図書館
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〔岡山県立図書館メディア工房:平成19(2007)年〕
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