大正15年5月 岡山県案内写真帖
12 麦稈真田と其の製品
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◆文字 麦稈真田と其の製品
麦稈真田は南部地方に於て婦女子の副業として盛に製造せらる一箇年の
産額二百万円以上を算し本県重要物産の一に属す本図は主産地浅口郡金
光町に於ける麦稈真田と其の製品なり

◆説明 「麦稈真田ト其ノ製品」について
麦稈真田とは麦稈(麦わら)を材料にして編んだ真田紐のこと。
小田郡、浅口郡など岡山県西南部を中心に、農家の副業として盛んに生産され、欧米に輸出された。
岡山市にあった岡山県麦稈真田同業組合(明治44(1911)年に岡山県真田同業組合と改称)が明治36(1903)年に吉備村大谷(のち、金光町大谷)へ移転し、金光町が同業組合の中心となった。
明治末ごろから大正半ばを最盛期として岡山県の主要な工業生産品となる。その後生産は衰退していき、中国からの安い輸入品、化繊製品やビニール製品の出現といった影響から昭和30年代後半以降、ほとんど生産されなくなる。

◆参考文献 「麦稈真田ト其ノ製品」について
『金光町史 本編』 金光町史編纂委員会編 金光町 2003
『寄島町誌』 藤沢晋編 寄島町 1967
『笠岡市史 第3巻』 笠岡市史編さん室編 笠岡市 1996
『岡山県の生業研究』 鶴藤鹿忠著 日本文教出版 1988
『岡山県の特殊作物と其の加工』 岡山県農会 1926
『岡山県統計年報 大正14年〜昭和7年』 岡山県 1927〜1934
『F&A』(21号) 富士印刷 1997

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 〔岡山県立図書館メディア工房〕
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