大正15年5月 岡山市写真帖 | |
佛刹及び堂塔 2 | |
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◆文字 | 佛(仏)刹及び堂塔 2 |
ものなりと云ふ。本堂は十八間四面にして実に宏壮を極む。寺宝 として有名なる開山日像上人の揮毫に成る大曼荼羅を蔵す。唐紙 七十八枚を継ぎて造る。毎歳中春を以てこの曼荼羅の開帳を行ふ。 此の時近郷より参詣する善男善女頗る多し。 ▲岡山寺と薬師院 共に磨屋町に在り。岡山寺は人皇第四十六 代孝謙天皇の御宇天平勝宝元年報恩大師の勅を奉じて建立した る所にして、天台宗派の寺院なり。もと内山下の旧城廓の地に在 りしを宇喜田直家のとき今の地に移す。又薬師院は真言宗派の寺 院なり。今寺中に真言宗の法務支所を置く。伝へ云ふ此の寺は宇 喜田秀家卿が上道郡沼の城に使用したる所の木材を以て造営した るものなりと。 ▲妙善寺と法界院 妙善寺は伊島に、法界院は御野に在りて、 妙善寺は日蓮宗不受不施派に属し、法界院は真言宗派の寺院にし て、共に岡山の北端に存在し、妙善寺の付近の地に仏教日蓮宗の 高僧大覚大僧正の中国布教のため西下し、暫く足を留めたる家の 在りし屋敷跡と云ふ所ありて、日蓮宗信教者は之に敬意を払ひ居 れり。 ▲松琴寺 東山公園の東南方門田の瑜珈山腹に在り。瑜珈大権 現を祀る。寺の山号を青龍山と号す。地高燥にして且つ幽雅、市 の熱閑を離れて自ら別天地の状を為す。春は躑躅桜花を賞し、秋 は紅葉を観るべく、また岡山の一名勝地たるなり。 ▲五百羅漢堂 東山公園の北端操山の西麓少林禅寺の境内に在 り。堂舎を設けて羅漢像を安置す。天明年中寺僧熊岳和尚の起願 に成り。京都の名匠の彫刻せし所にして、関西にては有名の大仏 |
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