回答内容
『新日本古典文学大系 別巻[5]』(岩波書店)の「万葉集索引」から「いにしへの~」を初句とする歌の該当がない一方、初句「ふるひとの~」でみると、万葉集の「巻第四」554に「古人乃 令食有 吉備能酒 病者為便無 貫簀賜牟」という歌が確認できる。『万葉集全注 巻第4』(有斐閣)では、この歌を「古人の飲へしめたる吉備の酒病まばすべなし貫簀賜らむ」と読み下し、「ご老人が送ってくださった吉備の酒も悪酔したら困ります。貫簀も頂きとうございます」とその歌意が述べられている。他に『新日本古典文学大系1』(岩波書店)には「昔の人が飲ませて下さった吉備の酒。飲み過ぎて悪酔いしたら苦しいです。竹の敷物を下さい」、『万葉集全歌講義2』(笠間書院)では「なじみのお方が送って下さった、せっかくの吉備のお酒ですが、飲んで気分が悪くなったら困ります。貫簀もいただきたいものです」とそれぞれ歌意の説明がある。
回答館・回答団体
岡山県立図書館