回答内容

『藤戸町誌』に掲載されている分限帳で、「中老百六拾石布施藤五郎」とあるのを確認した。また同書の「藤戸町の人物」に布施藤五郎の記述があった。そこで岡山大学附属図書館の「池田家文庫」の「マイクロフィルム目録データベースシステム」にて確認してみた。「布施」というキーワードで検索すると何件か検索でき、「先祖並御奉公之品書上　布施虎雄」が当該の布施家のものであることを確認した。初代布施五郎右衛門から１１代虎雄までが記されている。藤五郎は１０代目であった。代数から見て江戸初期以前まで遡ることができそうである。また藤五郎は、戊辰戦争に銃隊長として従軍し奥州方面を転戦しており、その関係の資料も残されているようである。岡山藩直臣や陪臣（例えば天城池田氏の家臣布施藤五郎のような家臣の家臣）については、「先祖並御奉公之品書」が残されている可能性がかなり高く、仕官した初代の先祖に遡って仕官の経緯や個々人の経歴や賞罰などが詳しくわかる。絶家や出奔などして明治まで続いていない家についても記録が残されている。ただし、これらはほとんど全てが崩し字で記された古文書のままであり、現代人が容易に読むことができる活字にはなっていない。池田家文庫は、岡山大学附属図書館の所蔵であるが、岡山県立記録資料館においてもマイクロフィルムなどで閲覧複写ができる。

回答館・回答団体

倉敷市立中央図書館