デジタル岡山大百科 | 岡山県立図書館

バラムツ

質問内容

深海魚のバラムツは、海外では食用にされていると聞くが、日本で禁止されているのはなぜか。

回答内容

OPACで深海魚や深海生物についての資料を検索。その後、関連書架をブラウジングした。
①『すごいしんかいぎょ!』では、「バラムツの体内にある油脂成分のほとんどは、人体で消化することの出来ないワックスエステルで出来ている。そのため大量摂取すると皮膚から油がしみ出す病気になったり、消化吸収することが出来なかった油脂分が肛門から漏れ出す(!)といった症状を引き起こす。このため、食品衛生法で厚生労働省から販売禁止指定されているのだ。」と記載あり。一方で、脂ののった大トロのような味わいがあり非常に美味であるため食通はオムツをあてながら食すとも書かれている。
②『深き海の魚たち』は、バラムツのような多脂魚の食べ過ぎによって起こる下痢の症状について少し詳しく説明している。また、下痢を引き起こすことからバラムツを「下剤として利用している国もある」らしいことや多脂魚の流通が禁止されているのは日本、イタリア、韓国の3か国に限られることが記載されている。
③『毒があるのになぜ食べられるのか』には、アブラボウズについての記述の中に、バラムツに含まれる脂質の主成分が人体で消化されないワックスであり、その肉を食べると激しい下痢や皮脂漏症を引き起こすことや、食べ過ぎて昏睡状態に陥った症例があることにより、1970年に食用禁止となったことが書かれている。
④『喰ったらヤバいいきもの』は、「バラムツの身に大量に含まれる脂は、普通の脂ではなく、人体では消化できない油脂「ワックスエステル」」であるため食べるとある種の中毒を起こすこと、「食べると、数時間(時には30時間)下痢“など”の症状が続き、場合によっては重篤な健康障害を及ぼす」ことが書かれ、「そのため、食品衛生法で販売が禁止されている」と記載されている。また、「悪魔的に美味い」とも書かれ、実際に著者が食した体験記や、バラムツのアボカドヅケ丼のレシピが掲載されている。
⑤『深海魚のレシピ』は④と同著者の資料だが、バラムツの危険性や実際に食した体験記が詳しく書かれている。
⑥『食べられる深海魚ガイドブック』には、「アブラソコムツと同様に、わが国では食用としての利用が禁止されている。しかし、食習慣が残る地域も国内にあるようで、アジア圏の国々では店頭でよく見かける」と記されている。
⑦厚生労働省HP内の「自然毒のリスクプロファイル」によると、ワックスエステルの中毒症状が起こるため1970年より食用禁止とされていると記載あり。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

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バラムツ

(バラムツ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①深海生物探検隊『すごいしんかいぎょ!』 壽屋,2009,127p. 参照はp.26-27.
②落合 芳博『深き海の魚たち』 丸善プラネット,2017,14,162p. 参照はp.97-98.
③船山 信次『毒があるのになぜ食べられるのか』 PHP研究所,2015,256p. 参照はp.98-99.
④平坂 寛『喰ったらヤバいいきもの』 主婦と生活社,2017,159p. 参照はp.40-43.
⑤平坂 寛『深海魚のレシピ』 地人書館,2015,20,169p. 参照はp.37-63.
⑥21世紀の食調査班『食べられる深海魚ガイドブック』 自由国民社,2014,95p. 参照はp.72.
⑦https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/poison/index.html
(2019.10.4確認)

NDC分類
NDC分類

481:一般動物学

596:食品.料理

664:漁労.漁業各論

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