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アズマモグラとコウベモグラ

質問内容

アズマモグラとコウベモグラの国内の分布について書かれた資料はないか。

回答内容

①『おもしろ生態とかしこい防ぎ方 モグラ』 では、「西のコウベモグラ、東のアズマモグラ」という項で「モグラは北海道を除けば全国区の動物だ。とはいうものの、一つの種が全国にいるというわけではない。アズマモグラとコウベモグラという二種のモグラがすみ分けているらしい。本州を富士山から金沢市に引いた線が境界線にして、この線から西がコウベモグラのエリア、東がアズマモグラのエリアだ。この二種のモグラが両方見られる地域というのはほんの限られた地域である」と説明があり、国内のモグラの分布図もあわせて掲載されている。

②『モグラ博士のモグラの話』では「アズマモグラ」と「コウベモグラ」について、「これらの二種はそれぞれ関東地方以北と中部地方以西の二大勢力です。ひとつの土地に、地下で暮らす別種のモグラが共存するのは難しいようで、この二種がどちらも見られる場所はごくわずかです。分布の境目はどこにあるのかというと、太平洋側の富士山から日本海側の石川県金沢市を結ぶ線で、ここを境に、二種のモグラがせめぎあいをしているようです」とあり、「全長が十七センチほどのアズマモグラに対して、コウベモグラはひとまわり大きい約二〇センチ。大きなコウベモグラが小さなアズマモグラを、どんどん北東に押しやっていると言われています。かつてはアズマモグラも西日本に分布していたようですが、その勢力範囲は次第に小さくなっています」と記載がある。また、「コウベモグラは体が大きいぶん、トンネルの直径も五センチほどなのに対して、アズマモグラのトンネルは四センチ弱です。そのため、硬い石の混じったような山の土でも、石や木の根のすきまをぬって、トンネルを掘ることができます。アズマモグラはこの特技のおかげで、西日本の中でも山地には、飛び地のような分布地を確保しているのです。」との解説がある。

③『モグラハンドブック』には、「アズマモグラ」について「中型のモグラで、日本固有種。東日本を中心に生息するが、紀伊半島や四国、中国地方にも点在して生息している。里山から山地にまで生息し、土盛りを目にすることも多い、最も人間になじみのあるモグラである。太平洋の平野部にすむ個体群は大型で、日本海の平野部の個体群は小型。山地にすむ固体はそれよりも小さい。同じ地域でも、山地にいる個体は平地にすむものよりも小型で、コモグラM.i.minorとすることもある」と記載がある。また「コウベモグラ」については、「コウベモグラはアズマモグラより大型で、全身赤みが強い」とあり、「アズマモグラは本州中部以南を主な生息地としていたが、体の大きいコウベモグラが徐々に北進し、アズマモグラの生息地を脅かしている。縄張り争いで、長野県の天竜川上流では4年間に16kmもコウベモグラが生息域を拡大した」と説明されている。さらに同書では、「日本各地のアズマモグラ」や「日本各地のコウベモグラ」も紹介されている。

回答館・回答団体

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アズマモグラとコウベモグラ

(アズマモグラトコウベモグラ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①井上雅央,秋山雅世『おもしろ生態とかしこい防ぎ方 モグラ』 農山漁村文化協会,2010,103p. 参照はp.65-68.
②川田伸一郎『モグラ博士のモグラの話』 岩波書店,2009,210p. 参照はp.17-21.
③飯島正広,土屋公幸『モグラハンドブック』 文一総合出版,2015,76p. 参照はp.52-59.

NDC分類
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489:哺乳類

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