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田園の中にあるお宮に、大切に掲げられている絵馬をみつけました。時代を経た絵馬は、五穀豊穣を祈願し、平穏な生活の感謝を奉納した先人の姿を伝えています。作成された時代や画工などはっきりしないものもありますが、当時の地方文化や生活の思いの一端がうかがわれ、興味深いものです。 |
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氏子が奉納した絵馬は、長い歳月を、風雪に耐えて掲げられていました。松嶋章雄宮司のご好意により、お宮に保存されている絵馬もあわせて記録させてもらいました。
※松島宮司は岡山市土田の天津神社と八幡宮の宮司を兼任されています。
※天神八王子月尾宮は歌人平賀元義が記した『金岡村考證』に天神社 同社坐 月尾~社とある、備前国百二十八社の一社。 |
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絵馬の歴史について |
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絵馬の歴史は古く、もとは生馬を神に献じていたことに由来すると言われています。それが奈良時代には馬をかたどった木馬や陶馬になり、平安時代には板立馬にかわり、簡略化されたものが現在のような絵馬になったそうです。絵馬の奉納が盛んになったのは室町時代の末頃で、題材も武者絵、歌仙絵などが加わり、次第に手の込んだ絵が描かれるようになり、大型絵馬となって残っているものもあります。同時に庶民の信仰や迷信と結びついて盛んに奉納されたのが小形絵馬で、祈願の種類や神仏の特性により題材は様々ですが、略画されているものが多いようです。 |
月尾宮に掲げてある大絵馬と保存されている絵馬23点
素晴らしいもの、時代を感じるもの、ちょっと破れれているものなど、いろいろあります。 |
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昨今の絵馬の環境 |
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氏子が奉納した絵馬は、庶民の日常生活の願いや感謝を表すものが多いといわれます。松嶋宮司のお話によると、納主は近在の村民で、当時の氏子の様子や願い、また時代の移り変わりが絵馬に反映されているとのことでした。
図柄も色々で、それぞれに「奉懸・奉献・奉納・敬拝」とあり、神仏に願いをかけた先人たちの豊かな心を伝えています。人々と絵馬の係わりを思うと不思議な魅力があります。
現在、絵馬は新たに奉納されたものが掲げられ、古い絵馬は倉庫に収められたままになっているとのこと。中には、お宮の改築時に紛失したものもあるらしいと聞きました。
この度、目に触れられなくなっていましたが、長い年月を経て伝え残されている絵馬についてご紹介します。 |
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制作者:竜之口電子町内会編集委員会 |