はじめに |
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瀬戸内海沿岸東備地区の港近くに氏神八幡宮がある。かつては、産業(酒造業、醤油業、油〆業、綿業、工場など)が盛んで商品を大阪に運ぶ海運業が発展し商人の活躍した豊かな地である。この地は素人芝居が盛んで芝居興行の座があり、各地を巡業したと伝わる。村の氏子はお伊勢参りの帰りに大阪の絵馬屋で絵馬を求め、船便で持ち帰り氏神さまにお礼に奉納したといわれる。また、上方で人気があった出し物を描いた絵馬を、上方の芝居座がお礼にもってきて奉納したのではないかと地域の人々から聞いた。 |
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祭神
仲哀天皇 応神天皇 神功皇后
上筒男命 中筒男命 底筒男命
明暦元(1655)年に火災で記録や宝物が全部消失たため不詳である。
明治42(1909)年に寄宮をして現在に至 っている。
氏子が守る村社。 |
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拝殿内は大小とりまぜた絵馬で埋め尽くされている。東西南北の壁や天井に、柱に隠れ重なって40余点の大小の絵馬がある。豊富な図柄と保存のよい美しい色彩は、賑わっていた時代の村の様子が伝わり、見飽きぬ興味深いものである。芝居絵が多く、これらの絵馬は興行の成功を祈願して奉納されたものであり、この地区の人たちは懐かしんでいる。産業が盛んで豊かだった当時の村の氏子の勢いと神仏への敬虔な祈り、感謝の気持ちが伝わってくる。今後も郷土の文化財として保護と保存を願ってやまない。
地区の方々のご協力を得て撮影させていただいた。「備前の絵馬」の参照も快くお許しくださり感謝する。 |
八幡宮の絵馬 |
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天井や壁にところせましと掛けられた絵馬の風景 |
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明治42(1909)年の寄宮の時からの絵馬は、昭和15(1940)年の改築時に天井いっぱいに掲げられたまま今日に至っている。比較的保存状態もよく、鮮やかな色彩のものが多い。柱の陰になったり、重なり合ったりして見えないところもあり裏面も見えない。作者も願主も日付けも画題も不明なものが多い。隠れているところを想像し、不鮮明な文字を.ながめながら当時をしのんだ。 |
大きな画像で絵馬を楽しんでください。(画像をクリック)
☆判読不明の文字は○で表示している |
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武者絵−1 |
武者絵 −2 |
芝居絵 物語 |
芝居絵 歴史話 |
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川中島の戦図
加藤清正先陣争い図
楠公父子決別図
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八幡太郎義家図
朝鮮出兵の図
清正朝鮮出兵の図
梶原景季箙の梅図
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一谷嫩軍記図
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浮世柄比翼稲妻図
宮城野と信夫の仇討ち図
足柄山の金太郎と山姥図
加藤清正虎退治図
於染久松色読販場
お軽・勘平図
一谷嫩軍記熊谷陣屋図
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西南戦争図
西南戦争熊本城炎上図
平壌玄武関門突入図
明治天皇御幸図
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伊勢参り図
婦人図(ガラス入り)
牡丹図(絵画)
金幣壱垂
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参考文献 |