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感謝体育祭とは昭和37(1962)年の第17回国民体育大会(岡山国体)終了後に開催された、開会式に準じた祭典である。この目的について大会報告書では「盛会のうちに行われた開会式の、特に演錬を重ねた見事なマスゲームを国体に参観できなかった県民に1人でも多く見て見ていただく気持と国体で天皇杯2位という活躍を示した本県選手団を表彰すること、また公開演技者に感謝する意味(感謝状と金一封)」をもって開催したとする。
感謝体育祭が行われたのは昭和37(1962)年11月8日で、山陽新聞の11月9日付け記事によれば、打ち上げ花火を合図に定刻の午前11時に開式。県選手団(団長は県教育長川上亀義)800名と公開演技者10,000人の参加を得て行われ、観衆は約36,000人を数えたと記録されている。マスゲーム、表彰や解団式などの式典を経て再びマスゲームを行い、岡山民踊を最後に午後2時50分に全日程を終了している。
しかしながらこの感謝体育祭に関する記録は少なく、大会報告書にも日程は記録されていなかった。ところが今回入手した映像資料を新聞記事の日程の流れと照らし合わせると、マスゲーム後に式典が行われ、その後に再びマスゲームが行われるという基本的な流れが一致した。このことから映像資料がほぼ大会日程に沿って記録されている可能性がでてきた。そこで、映像に映っているマスゲームを大会報告に記録されているマスゲームの特色から、演題の復元を試み、あわせて新聞記事などを参考に当日の日程全体の復元を試みた。以下がその復元によって明らかになった感謝体育祭の日程である。
1.マスゲーム |
(1) スクールバンドパレード(就実中学校 500名)
(2) むすんでひらいて(岡山市内幼稚園 約1,500名)
(3) 桃太郎(岡山市内小学校 6年生男女 2,200名)
(4) 輝く希望(岡山市内高等学校 1・2年男女 1,800名) |
2.式典 |
(1) 選手入場〔県選手団と公開演技出演者〕
(2) 聖火入場・点火〔関西高校細川博〕
(3) 国旗・国体旗掲揚
(4) 選手表彰
(5) 公開演技団体表彰
(6) 選手退場 |
3.マスゲーム |
(1) 棒のリズム(岡山県立短期大学 80名)
(2) 鼓笛バンドパレード(岡山市内小学校 6年生男女 2,400名)
(3) 岡山のかおり(岡山市内中学校 1・2年男女)
(4) 岡山民踊(岡山市連合婦人会 1,300名) |
※( )内の参加団体、人数は国体報告書の開・閉式マスゲーム実施日程に基づく。 |
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