(二十六)
【解読文】
右之趣ニ御座候付、御国より内ニ而象ニ行
逢申候ハヽ、状箱役人通詞江可渡旨、
御国迄之内ニ而行逢不申候者、各様江
差上申様ニ申含差越申候間、其御地迄之
内ニ而象ニ逢不申候者、其御地江象参候刻
御渡させ被遊、尤役人請取手形御取せ
越可被遊候、出雲守殿江差出可申候、
此段私共より申上候様ニ要人殿御申
被成候間、如此御座候、恐惶謹言
生駒喜左衛門
三月十二日 大久保岡右衛門
安東七郎大夫
伊 豊後様
日 猪右衛門様
一 栄光院様象御覧ニ付、江戸往返書状
【読み下し文】
右の趣(おもむき)にござ(御座)候(そうろう)につき、
御国より内にて象に行き逢い申し候わば、状箱
(じょうばこ)役人・通詞(つうじ)へ渡すべき旨(むね)、
御国迄の内にて行き逢い申さず候わば(者)、各様
へ差し上げ申すように申し含め差し越し申し候
あいだ(間)、その御地迄の内にて象に逢い申さず
候わば、その御地へ象参り候刻(きざみ)御渡させ
遊ばされ、尤も、役人受取手形御取らせ越し遊ば さるべく候、出雲守(いずものかみ)殿へ差し出し申
すべく候、このだん(此段)私どもより申し上げ候
ように、要人(かなと)殿御申しなされ候あいだ、
かくのごとく(如此)ござ候、恐惶謹言(きょうこう
きんげん)
生駒喜左衛門(いこまきざえもん)
三月十二日 大久保岡右衛門(おおくぼおかえもん)
安東七郎大夫(あんどうしちろうだゆう)
伊木豊後(いぎぶんご)様
日置猪右衛門(へきいえもん)様
一 栄光院(えいこういん)様象御覧につき、江戸往返書状
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