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(二十五)

【解読文】

     右之通申来候ニ付、若備前迄之内ニ而
     象ニ飛脚之者行逢不申候者如何可
     仕候哉、長門国辺迄へも為持遣可申
     哉と相尋候処、左之通申来候
      出雲守殿用人返事写
    御手紙拝見致候、然者象参候御用ニ付
    右添参候役人通詞へ従出雲守差越申候
    状箱、備前迄之内象不参候者、備前ニ而
    御待合御達可被下候、備前より大坂之方迄
    旅行仕候刻ニ候者、其所ニ而御達被下候様ニ
    仕度候、此段出雲守申付候間、如斯
    御座候、委細御紙面之趣出雲守江
    申聞候、以上
      三月十二日
     安東七郎大夫     渡部出雲守内
     大久保岡右衛門 宛     堀市兵衛
     生駒喜左衛門


【読み下し文】

     右の通り申し来たり候
(そうろう)につき、
     も
()備前迄の内にて、象に飛脚の者
     行き逢い申さず候(そうら)わば、いかが(如何)
     つかまつ(仕)るべく候や、長門国(ながとのくに)
     辺迄へも持たせ(為)遣わし申すべきやとあい
(相)
     尋ね候ところ(処)、左(さ)の通り申し来たり候
      出雲守
(いずものかみ)殿用人(ようにん)返事写し
    御手紙拝見致し候、しかれば
(然者)象参り候御用に
    つき、右添え参り候役人・通詞
(つうじ)へ出雲守
    より(従)差し越し申し候状箱
(じょうばこ)、備前迄の内
    象参らず候わば(者)、備前にて御待合御達し下さる
    べく候、備前より大坂の方迄旅行つかまつり候
    刻(きざみ)に候わば、その所にて御達し下され候
    ようにつかまつ(仕)りたく(度)候、このだん(此段)
    出雲守申し付け候あいだ(間)、かくのごとく(如斯)
    ござ(御座)候、委細御紙面の趣(おもむき)出雲守へ
    申し聞け候、以上 
      三月十二日
     安東七郎大夫(あんどうしちろうだゆう)   渡辺出雲守内
     大久保岡右衛門(おおくぼおかえもん) 宛   堀市兵衛
     生駒喜左衛門(いこまきざえもん)