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(五十五)

【解読文】

    一 通り筋人留ニ刀指出候哉之事
       広嶋御城下ニ而者刀指ハ御出シ不被成候
    一 周防関戸去ル四日泊、広嶋領玖波同五日
      泊
       但、道法四里程之間朝五つニ立、昼九つ
       参着
    一 広嶋ニ而殿様御内見被遊候
       但、町西入口より弐丁目麁相成家表ニ弐間之
       古キ出格子付居申候、此前にて象ニ
       食物給させ、象少之間遣イ申候
    一 象屋之表ニ幕ヲ打申候、但、あの方より
      持参候由
        以上
                加世八兵衛
        四月十日    長谷川九郎大夫
                村上勘左衛門


【読み下し文】

    一 通り筋人留(ひとど)めに刀差し出(い)で候(そうろう)
      やの事
       広島御城下にては刀差しは御出しなされず候
    一 周防(すおう)関戸(せきと)去る四日泊り、広島領
      玖波(くば)同五日泊り
       但し、道程(みちのり)四里(り)ほどの間、朝五つ
       に立ち、昼九つに参着(さんちゃく)
    一 広島にて殿様御内見(ないけん)遊ばされ候
       但し、町西入口より二丁目粗相(そそう)なる
       表に二間(けん)の古き出格子(でごうし)付き
       お(居)
り申し候、この(此)前にて象に食物
       た(給)
させ、象少しの間遣い申し候
    一 象屋の表に幕を打ち申し候、但し、あの方より
      持参候由(よし)
        以上
              加世八兵衛(かせはちべえ)
        四月十日  長谷川九郎大夫(はせがわくろうだゆう)
              村上勘左衛門(むらかみかんざえもん)