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(六十)

【解読文】

      窺
    今度象ニ付参候
         宰領     小舳田八左衛門
                福井雄介
         通事     清川永左衛門
    右三人江ハ被下物御座候、此外付参候象遣イ
    四人、中間末々迄も下筋ニ而ハ被下物有之由
    御座候、
銀弐匁ツヽ、象遣其外へハ 表立候而者請不申由、
       
    銀子壱匁ツヽ可被下哉
    扇子箱ニ入内々ニ而遣候得者請申候由、如何可被
    仰付候哉、被下物無之而者、何角事六ヶ敷
    差支候様ニ致成シ申由ニ御座候、以上             
                加世八兵衛
      四月九日      長谷川九郎大夫
                村上勘左衛門

      御内意奉伺候覚
    通事清川永左衛門并宰領之者弐人へ備中


【読み下し文】

      伺い
    今度象に付き参り候(そうろう)
         宰領(さいりょう) 小舳田(おへだ)八左衛門
                  福井雄助(祐介)
         通事(つうじ)   清川永左衛門
    右三人へは下さるる物ござ(御座)候、この(此)ほか
    付き参り候象遣い四人、中間(ちゅうげん)末末(すえずえ)
    迄も下筋にては下さるる物これある由(よし)ござ候、
    
銀二匁(もんめ)ずつ、象遣いそのほかへは  表立ち候(そうらい)
    
銀子(ぎんす)一匁ずつ下さるべきや
    ては(而者)受け申さぬ由、扇子(せんす)箱に入れ
    内内(ないない)にて遣わし候えば(得者)受け申し候由、
    いかが(如何)(おお)せ付けらるべく候や、下さるる物
    これ無くては、なにかと(何角)事むずかしく差し支え
    候ように致し成し申す由にござ候、以上        
                加世八兵衛(かせはちべえ)
      四月九日      長谷川九郎大夫(はせがわくろうだゆう)
                村上勘左衛門(むらかみかんざえもん)

      御内意(ないい)伺いたてまつ(奉)り候覚(おぼ)
    通事清川永左衛門並びに(并)宰領の者二人へ備中