(八十二)
【解読文】
弐枚戸、天井高九尺、象小屋之内ニ釣桃燈
弐つ、同所外ニ桃灯二つ燈申候
一 象仕之者部屋同所象屋之脇ニ用意、壱間
半ニ弐間床仕、畳ヲ敷、惣廻り板囲ニ申付候
一 隣家ヲ象屋之方江口ヲ明、象仕足軽小者
支度所、則下宿ニ用意、続隣家ヲ裁領
人小舳田八左衛門・福井雄介、通詞清川永左衛門
上下共宿ニ申付候、宿見届名主壱人、
肝煎名主三人、賄ハ宿頭両人ニ申付候、
飼料請込名主両人申付、町筋持送共
相勤申候
一 旅籠料理一汁三菜、吸物、肴、酒ヲ出し、
夜食も出シ申候、旅籠賃先宿之通之由、
壱人銀八分宛、上下拾三人分払申候
一 象飼料用意之分
大唐米 八升
【読み下し文】
二枚戸、天井高さ九尺(しゃく)、象小屋の内に釣桃灯
(つりちょうちん)二つ、同所外に桃灯二つ灯(とも)し
申し候(そうろう)
一 象遣いの者部屋、同所象屋の脇に用意、一間(けん)半
に二間床つかまつ(仕)り、畳(たたみ)を敷き、総廻り
板囲いに申し付け候
一 隣家を象屋の方へ口を開け、象遣い足軽(あしがる)
小者支度(したく)所、すなわ(則)ち下宿(したやど)に
用意、続く隣家を宰領(さいりょう)人小舳田(おへだ)
八左衛門・福井雄助(介)、通詞(つうじ)清川永左衛門
上、下(かみ、しも)とも宿に申し付け候、宿見届け
名主(なぬし)一人、肝煎(きもいり)名主三人、賄いは
宿頭両人に申し付け候、飼い料請込み名主両人申し 付け、町筋持ち送りともあい(相)勤め申し候
一 旅籠(はたご)料理一汁三菜(いちじゅうさんさい)、吸物、
肴(さかな)、酒を出し、夜食も出し申し候、旅籠賃
先宿の通りの由(よし)、一人銀八分(ぶ)ずつ(宛)、
上下十三人分払い申し候
一 象飼い料用意の分
大唐米(たいとうまい) 八升(しょう)
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